ソウル：韓国の政府高官は、北朝鮮内で特に「異変」は見られないとの姿勢を崩さず、金正恩首相の健康状態に関する噂に否定的発言。

韓国統一部によると、金錬鉄（キム・ヨンチュル）統一部長官は4月26日（日）ののソウルにおける非公開フォーラムで、北朝鮮内で金正恩の健康状態に関する憶測を裏付けるような「異変」はないと断言するに足る情報を有していると発言した。

金錬鉄長官は、そうした結論を出すに至った特定の情報については明らかにしないと述べたが、多方面からの分析を　行った結果によるものだという。

金正恩の健康状態に関する噂は、4月15日に行われた金正恩の祖父で北朝鮮建国の父、金日成 （キム・イルソン）の108年目の誕生記念式典式に不在だったことから広まり始めた。金正恩は北朝鮮を統治するこの一族の三代目で、2011年後半に彼の父親、金正日（キム・　ジョンイル）の没後に彼が政権を引き継いで以来、北朝鮮で最も重要な式典の一つであるこの式典をいまだかつて欠席したことがなかった。

韓国政府は統一部に先立って、金正恩は通常通り政務をおこなっており、北朝鮮内で特に変わった様子は見られないという声明を出したが、統一部長官のコメントはそれを繰り返す内容となっている。これらのコメントが出た後も金正恩に関する噂が立ち消えとなることはなく、彼の消息について北朝鮮国営メディアが一切報道しないことでもさらに疑惑は広がっている。

核兵器プログラムを保持する国の絶対頭首として、金正恩の健康状態は地域的にも世界的にも大きな関心の的となっている。金正恩に万が一のことがあれば、北朝鮮の政情不安を引き起こす可能性があると見る専門家も　　いる。

4月25日（土）に公開された38ノース（北朝鮮研究専門のウェブサイト）による最近の衛星写真には、北朝鮮東部の海岸沿いにある金正恩の私邸の敷地に彼の所有する電車が前週から停車しているのが写っている。

「この電車の存在は金正恩の所在を証明するものでも彼の健康状態について何かを示唆するものでもないが、北朝鮮の東部海岸沿いにあるこのエリート階級限定の地区に金正恩が滞在しているという報告の信憑性を高める要素ではある」と38ノースは記載する。

AP