
ソウル:政治的混乱が米国の同盟国を巻き込む中、アントニー・ブリンケン米国務長官が韓国を訪問し、外交政策の安定を求めた。北朝鮮は月曜日、ミサイルを発射した。
ブリンケン氏は、戒厳令を敷こうとして失敗し弾劾された後、自邸に引きこもっている保守派の尹錫烈(ユン・ソクヨル)大統領を捜査当局が逮捕しようとしていた矢先の訪問だった。
韓国軍によれば、北朝鮮は月曜日、ブリンケン氏がソウルで会議を行っていたちょうどその時、弾道ミサイルを海に向けて発射したという。
韓国軍は、「東海に向けて発射された中距離弾道ミサイルと推定される弾丸1発を探知した」と発表した。
ミサイルが1,100キロ(680マイル)ほど飛んだ後、ソウルはさらなる発射に備えて「監視と警戒を強化した」と述べた。
日本によれば、ミサイルは海中に落下したようだ。
ソウルは今回の発射について「日米と緊密に連携している」と付け加えた。
この実験は、ドナルド・トランプ次期大統領の就任式の2週間前に行われた。トランプ次期大統領は前任期、独自の個人外交で北朝鮮を取り込もうとした。
ブリンケン氏は、米外交官としておそらく最後の訪問となるであろう最初の訪問地で、就任して1週間余りのテクノクラートである崔相黙(チェ・サンモク)大統領代行と、弾劾の危機にさらされていない趙泰烈(チョ・テユル)外相に会った。
騒々しい抗議デモがソウルを襲い、ブリンケン氏のホテルからも聞こえる中、彼は党派政治に踏み込むことを避けた。
国務省の声明によると、ブリンケン氏は韓国を守るというワシントンの「鉄壁の約束」を繰り返し、「双方が協力して二国間協力と日本との三国間協力をさらに強化する方法」について崔大統領代行と話したという。
12月3日に一時的に戒厳令が敷かれるまでは、尹氏は国際舞台での親米政策でジョー・バイデン大統領の寵児だった。
尹氏は、何千人もの米軍が駐留しているアメリカの同盟国である日本との何十年にもわたる摩擦に終止符を打とうとし、アメリカを喜ばせた。
尹氏は2023年、バイデン氏と岸田文雄首相(当時)と共に、キャンプ・デービッド大統領官邸で画期的な3者首脳会談を行い、北朝鮮に関する情報協力を強化することを約束した。
崔氏の事務所は声明で、韓国は「キャンプ・デービッド首脳会談の原則と合意に引き続きコミットしている」と述べた。
大統領代行は、「韓国は強力な韓米同盟と韓国、アメリカ、日本の三国間協力に基づく外交・安全保障政策を維持し続けると述べた」と声明は述べている。
韓国の進歩的な野党は、国会から尹大統領の人生を惨めなものにし、大統領の権力掌握以来ますます台頭しているが、歴史的に日本に対しては強硬路線をとってきた。
野党の李在明(イ・ジェミョン)党首は、自身も裁判で失脚の憂き目に遭っているが、タカ派の尹氏よりも北朝鮮への外交的働きかけを重視している。
アジア第4の経済大国の混乱と明確なリーダーの不在は、ちょうど米国が自国の政治的転換期にあるときに起こった。
バイデン氏が米国の同盟関係の育成に重点を置いてきたのに対し、1月20日に就任するトランプ氏は、ワシントンによる不公正な約束とみなすものを否定してきた。
トランプ氏は大統領選に出馬した際、もし自分が政権を握っていたら、韓国が米軍駐留経費として現在の10倍近い年間100億ドルを支払うよう、韓国を強硬に説得していただろうと語った。
しかし逆説的だが、トランプ氏は最後の進歩的な韓国大統領である文在寅(ムン・ジェイン)と絆を深め、北朝鮮との取引の試みを後押しした。
かつて北朝鮮に対して「炎と怒り」で威嚇したトランプは、その後金正恩委員長と3回会談し、「恋に落ちた」と語った。
トランプ当時大統領の異例ともいえる個人的な外交は、朝鮮半島の緊張を下げることに成功したが、平壌の核開発計画を終わらせるための永続的な取引はもたらされなかった。
AFP