• アヴィハイ・マンデルブリト検事総長はネタニヤフ首相を3件の別々のスキャンダルに関して汚職、背任、及び収賄容疑で告発した
• 告発されたからといってネタニヤフ首相は辞任する必要はないが、辞任するよう求める圧力が高まることが予想される

AP通信、占領下のエルサレム

イスラエルの検事総長は木曜日、ベンヤミン・ネタニヤフ首相を一連の汚職容疑で正式に告発した。すでに麻痺状態の同国の政治体制はさらに混乱し、長く首相を務めてきたネタニヤフ首相の権力が揺らいでいる。

3年がかりの捜査の末、アヴィハイ・マンデルブリト検事総長はネタニヤフ首相を3件の別々のスキャンダルに関して汚職、背任、及び収賄容疑で告発した。現職のイスラエルの首相が犯罪容疑で告発されるのは初めてのことである。

告発状によると、ネタニヤフ首相は数十万ドル分のシャンパンと葉巻きたばこを億万長者の友人から受け取ったり、新聞出版社に便宜を図ると持ちかけて見返りを求めたり、自身の影響力を用いてテレコム分野の裕福な大物を支援する見返りに人気ニュースサイトで自身に有利な記事を掲載させたりしたとのことだ。

告発されたからといってネタニヤフ首相は辞任する必要はないが、辞任するよう求める圧力が高まることが予想される。

マンデルブリト検事総長もネタニヤフ首相も木曜日午後に声明を発表する予定であった。ネタニヤフ首相は自身に対する申し立ては魔女狩りの一環だとし、メディア、警察、検察、及び司法システムを強く批判した。

最も重大な告発は、「ケース4000」と呼ばれている疑惑に関するものだ。内容は、ネタニヤフ首相は自身の友人でテレコム分野の裕福な大物であるシャウル・エロヴィッチ氏に対し、同氏のBezeq社に2億5000万ドルもの金銭を渡し、その返礼としてBezeqのニュースサイトである『Walla』がネタニヤフ首相とその家族に関して好意的な記事を複数掲載したというものだ。

告発状によると、2人の関係は「互いが相手の大きな利益を掴んでおり提供可能な状態だという互いの理解」に基づいていたとのことだ。また告発状では、ネタニヤフ首相がその関係を隠すために自身とエロヴィッチ氏との関係に関して「不完全で誤解を招く情報」を提供していたことも非難されている。

ネタニヤフ首相に近い2人の側近は国側の証人となり、本件に関して同首相に不利な証言をしている。

また告発状では、ネタニヤフ首相に億万長者のアーノン・ミルチャン氏とジェームズ・パッカー氏から贈られたシャンパンは「ある種の供給ラインになっていた」とされている。告発状では、贈られた総額は200,000ドル近くに及ぶと見積もられている。

告発状では、ネタニヤフ首相はハリウッドの大物であるイスラエル人のミルチャン氏の米国ビザの延長を支援したとされている。パッカー氏が何か返礼を受け取っていたのか、受け取っていたなら何を受け取っていたのかは、直ちには明らかになっていない。