
中東イエメンとアフリカ・ソマリアに面したアデン湾での海上自衛隊の海賊対処活動で、防衛省が新型コロナウイルスの感染防止のため、護衛艦の派遣要員にPCR検査を実施したことが8日、政府関係者への取材で分かった。
閉鎖された空間の艦内は、密閉、密集、密接の「3密」職場で集団感染が起きやすい。活動も長期にわたるため、対策を強化する必要あると判断した。
河野太郎防衛相は8日の記者会見で、PCR検査実施を認めるとともに、中東シーレーン(海上交通路)の情報収集のため、10日に佐世保基地(長崎県)から派遣される護衛艦「きりさめ」についても検査を行う方針を明らかにした。
PCR検査を実施したのは、海賊対処活動の交代のために4月下旬に横須賀基地(神奈川県)から派遣された護衛艦「おおなみ」の乗組員。派遣前にPCR検査が行われた。
中東の自衛隊の活動拠点ジブチは、新型コロナの感染拡大のために入国制限を実施。護衛艦の乗組員は上陸できない状態となっている。
乗員に感染者が出た場合はジブチにある医療施設に搬送されることになるが、受け入れ能力の問題もあり、活動継続には隊員の感染防止が不可避となっている。
JIJI Press