
東京:日本外国特派員協会(FCCJ)は、朝日新聞の特派員であるモハマド・マンスール氏が3月24日にイスラエルのミサイル攻撃により死亡したことを受け、声明を発表した。
声明では、「FCCJは、朝日新聞の特派員であるジャーナリスト、モハマド・マンスール氏が3月24日にイスラエルのミサイルによって殺害されたことを強く非難する。マンスール氏の妻と子どももこの攻撃で負傷したと報じられている。アルジャジーラをはじめとする複数のメディアは、この攻撃が意図的であったと報じている。マンスール氏は以前にもイスラエル国防軍(IDF)の攻撃で負傷していたが、ガザでの報道を続けていた」と述べている。
FCCJは、ジャーナリスト保護委員会(CPJ)が発表したデータを引用し、2023年10月7日のハマスによるイスラエル攻撃に端を発したイスラエル・ガザ戦争以降、ガザ、ヨルダン川西岸、イスラエル、レバノンで少なくとも173人のジャーナリストおよびメディア関係者が死亡したと指摘した。
CPJによると、「これはCPJが1992年にデータ収集を開始して以来、ジャーナリストにとって最も致命的な時期であり、現代史において最も危険な紛争の1つである」とされている。
また、CPJは「少なくとも11人のジャーナリストがイスラエル軍により直接標的とされ、CPJが“殺害”と分類する事件が発生している」と報告。さらに、「少なくとも20件の事例において“標的とされた可能性”がある」としている。
2023年、FCCJはアジア報道の自由賞を、2022年にヨルダン川西岸で射殺されたベテラン記者シリーン・アブ・アクレー氏に授与した。イスラエル国防軍(IDF)は当初、パレスチナ武装勢力が原因と主張したが、国連人権高等弁務官事務所や複数のメディアによる独立調査では、彼女がイスラエル兵により、ほぼ確実に意図的に殺害されたと結論付けている。
さらに、AP通信や他のメディアによると、イスラエル入植者が、アカデミー賞受賞ドキュメンタリー映画『No Other Land』のパレスチナ人共同監督の1人であるハムダン・バラル氏を暴行し、重傷を負わせたと報じられている。その後、目撃者によると、バラル氏はイスラエル軍に逮捕されたとのことである。
「私たちは、外国報道協会(Foreign Press Association)や多くの関係者とともに、イスラエル国防軍(IDF)に対し、ガザで極めて危険な状況下で報道を続けるパレスチナ人ジャーナリストの安全と報道の自由を確保するよう求める。FCCJは、国境なき記者団(RSF)による度重なる要請を支持し、国連安全保障理事会に対し、ガザにおけるジャーナリスト保護を定めた決議第2222号の履行を求める」と声明は締めくくっている。
決議第2222号は、「ジャーナリスト、メディア関係者、および関連スタッフの保護措置を講じること」を求めている。