
東京:日本のカトリックの女性が、神父から虐待を受けたと主張した後、教会が彼女を助けてくれなかったとして、日本のカトリック教会を訴えている。
田中時江氏は日本外国特派員協会で記者会見し、幼少期に性的虐待を受け、そのトラウマを解消するためにカトリックに入信したと語った。
彼女は自分の過去を神父に話したが、神父もまた同じように彼女を虐待し始めたという。彼は虐待中に動画を撮り、彼女が従わなければ動画を他に見せると脅した。
2018年、彼女はカトリック教会の人権事務所の所長に相談し、自分の経験を話した後、神父が3年間カウンセリングを受けることを告げられた。
しかし彼女は、教会がその司祭に金を渡しチリに逃亡できるようにしていたことを知った。そしてその後、司祭は日本に戻り、還俗して日本人女性と結婚していたことがわかった。
田中氏の弁護士である秋田和江氏はバチカンに書簡を送ったが返信はなかった。秋田弁護士によれば、フランシスコ教皇の死去に伴い、新教皇を決める枢機卿の一人は菊地功枢機卿であり、彼は田中さんを虐待した神父が所属していたのと同じカトリック団体「神言会」のメンバーだという。
東京の教会は、司祭の私生活に責任はないと述べた。「司祭の私生活で何が起ころうとも、教会に責任はありません、というのが被告の主張です。つまり、神言会は、司祭には私生活があり、教会の教えとは別に自由に行動することができると言っているのです」と秋田氏は言う。
秋田氏は、菊地枢機卿に新ローマ教皇の選挙に投票する道徳的権限があるのか疑問に思うと述べ、疑わしい事件は直ちに当局に報告しなければならないというのがフランシスコ教皇の方針であったと指摘した。
「報告されても何もしなければ意味がない」と秋田氏。「菊地枢機卿はこの件を知るべき立場にあったと思いますが、何もされませんでした」。秋田氏は、他にも同じような事例があることを知ったという。
田中氏はまだカトリック信者だが、信仰心はほとんど残っていないようだ。「私が言えることは、とても悲しいということと、信仰は私にとってとても大切なものなので、とても無力で、絶望的な気持ちです」と彼女は言った。「私は自分のの経験を誰かに聞いてほしかっただけです。私は毎日教会に行き、牧師や神父の説教を聞いていますが、彼らはとても美しいことを語ります。でもその同じ人間が一方で酷いことをするなんて誰が信じられるでしょうか。」