
台北: 台湾の頼清徳総統は火曜日、就任1周年を迎えるにあたり、中国と対等に対話する用意はあるが、防衛力の強化は継続すると述べた。
台湾の主権を堅く守るとし、北京から嫌われている頼総統は、「戦争を避けるために戦争に備える」必要性と、台湾の経済的な回復力を強化する必要性について、幅広い発言を行った。
就任式で中国に立ち向かい、民主主義を守ると約束した後、頼氏は「平等と威厳」があれば、台湾は北京と「喜んで」対話すると主張した。
中国は、総統のこれまでの話し合いの申し出を拒絶してきた。
「平和はかけがえのないものであり、戦争に勝者はいない」と頼氏は語ったが、「幻想を抱くことはできない」と付け加え、「国防能力を強化し続ける」と誓った。
台湾は「国際的な同盟国と積極的に協力し、肩を並べて抑止力を発揮し、戦争を回避するために戦争に備え、平和の目標を達成する」と頼氏は総統府で記者団に語った。
台湾は自国の領土だと主張し、武力で台湾を併合すると脅している中国は、頼総統の就任以来、台湾周辺で何度も大規模な軍事訓練を行なっている。
台湾の沿岸警備隊は月曜日、頼氏が就任1周年を迎えるにあたり、中国が「国民の士気を乱す」ために「認知戦」を使う可能性があると警告した。
台湾がワシントンから、より多くの工場をアメリカ国内に移転し、貿易不均衡を是正するよう圧力を受けている中、頼氏は台湾が「すべての卵を一つのカゴに入れることはない」と述べた。
台湾は市場を多様化し、内需を高めることで経済の回復力を高めるだろう。
頼総統はまた、「台湾経済の勢いを高める」ために政府系ファンドを設立する計画を発表したが、その規模についての詳細は明らかにしなかった。
国会を支配する野党が総統のアジェンダを妨害しようとしているため、総統の最初の任期は国内の政治的混乱に巻き込まれている。
主要な野党である国民党は、頼氏を「独裁者」と呼び、台湾を中国との戦争に近づけていると非難している。一方、頼氏の民進党は、国民党は北京の手先であり、台湾の安全を損なっていると指摘している。
緊張は国会内での物理的な喧嘩にまでエスカレートし、民進党と野党の支持者数千人が対抗して街頭デモを行った。
火曜日、頼氏は、政府は「政党間の協力を強化したい」と述べ、国家安全保障チームは野党に「国家安全保障上の重要なブリーフィング」を提供し始めると述べた。
「同じ事実に基づいて、我々は率直かつ誠実に意見を交換し、国家問題を議論し、国の課題に直面するために協力することができる」と頼氏は言った。
アナリストによれば、頼氏の発言は、北京からの批判を浴びた以前の演説よりも抑制的だったという。
アトランティック・カウンシルのグローバル・チャイナ・ハブで非常勤研究員を務めるWen-Ti Sung氏は、AFP通信にこう語った。
国立成功大学の政治学教授、ワン・フンジェン氏は、頼氏は「いつやめるべきかを慎重に判断していた」と語った。
台湾のオピニオン財団が4月に行った調査によると、頼氏の支持率は約1年前の58%から45.9%に低下した。
不支持率は45.7%に上昇し、就任以来最高となった。世論調査グループは、頼政権のアメリカによる対台湾関税への対応と、民進党が野党を標的にした前代未聞のリコールキャンペーンを行ったことに関連している。
民進党支持者は、任期満了前に議員を罷免できる法的手続きによって、約30人の国民党議員を失脚させようとしている。
リコール成功の敷居は高いが、民進党が議会の主導権を取り戻すには6議席を獲得すればよい。
民進党の15人の議員を失脚させるための対抗キャンペーンは、国民党のスタッフが死者の署名を偽造したと非難され、論争に巻き込まれている。
国民党はまた、頼氏をリコールすると脅している。
AFP