
東京:日本の防衛戦略は、純粋な防衛観から、志を同じくする同盟国の網を構築するための他国との関与へと変化を余儀なくされている、と日本の国際安全保障の第一人者は語る。
「多極的な複雑性への移行です」と、東京の国際文化会館の常務理事でもある慶應義塾大学の神保謙教授は言う。「日本にとっての問題は、もはや関与するかどうかではなく、乱気流をどのように航海可能な秩序に変えるかだと言えます」
ドナルド・トランプ大統領二期目の就任は旧秩序を混乱に陥れた。自衛隊を維持しながら防衛力を米国に大きく依存している日本にとっては厄介なことだ。
最近の朝日新聞の調査によれば、軍事的有事の際にアメリカが日本を守ってくれると信じている日本人はわずか15%で、77%は信じていない。ロシア、中国、北朝鮮といった好戦的で拡張主義的な隣国と接近している日本は、自国を防衛するためにもっと努力しなければならないと考えるようになり、防衛費は今後数年間で50%急増すると予想されている。
日米安全保障関係と東アジアの安全保障を専門とする神保教授は、日本はFOIP(自由で開かれたインド太平洋)政策に従って同盟を結ばざるを得なくなっていると言う。
「トランプ大統領は世界情勢に地殻変動をもたらしました。インド太平洋は、もはや平和が約束された地帯ではありません」
インド太平洋は中国、ロシア、北朝鮮を中心とするさまざまな大国が自己主張を試みる「最前線」になっているという。神保教授は、この地域における「紛争の伝染」について「戦略的曖昧さ」の時代は終わり、「抑止力のアーキテクチャが再構築されるのを目の当たりにしている」と言う。とはいえ、外交が死んだわけではない。
「日本の戦略は、タカ派か消極派かの二元論ではありません。日本は防衛費を増やす一方で、パートナーシップを深め、安定性を輸出しようとしているのです。」と神保教授は言う。「日本は戦略的服従を強要されることはないでしょう。抑止力と外交は代替案ではなく、戦略的弾力性の共同構築者なのです」
天然資源に乏しい日本は、ルールに基づく国際秩序に依存していると彼は言う。「日本から見ると、自由主義経済秩序とルールに基づく国際秩序は、私たちの国家安全保障だと思います。だから、多国間主義とルールが必要なのです。日本はもはや自国の領土を守るだけでなく、アジア太平洋のあるべき姿を守っているのです」
中国の軍事力は日本のそれをはるかに凌駕しているため、日本は隣国の超大国に対処する新たな方法を見つけなければならない。これは他国との協力を意味する。神保教授は「日本は今、ますます厳しい安全保障環境に直面しています。米中競争はこの数十年を規定するものであり、日本は急速に進化する同盟諸国と協調しながら、独自の戦略的信頼性を確保しなければならないのです」と述べている。