
手術支援ロボットの開発を手掛けるメディカロイド(神戸市)は3日、同市と連携し、新型コロナウイルス感染の有無を調べるPCR検査にロボットを導入し、遠隔操作での検体採取や自動化を検査工程に組み込むシステムを開発すると発表した。今秋までに一部実用化を目指す。
同社によると、行政と共同でロボットによるPCR検査の自動化に取り組むのは世界でも極めて珍しいという。作業を効率化することで検査数の大幅な拡大を狙う。
メディカロイドは川崎重工業と医療検査機器メーカーのシスメックスの共同出資会社。川重の産業用ロボットを活用し、医療への応用を図る。ロボットの導入で、シスメックスの運営機関での検査数を、現在の1日最大100検体から300~450検体まで拡大する。
神戸市はPCR検査体制の拡充に向けてシスメックスと共同で、神戸医療産業都市内の同社研究拠点に検査の運営機関を設置。この施設を実証の場として開発を進め、10月から本格的に運用する。
PCR検査の過程では、医師が患者の鼻の奥から検体を採取する際や、検体を装置にかける前の不活化処理の段階で感染リスクが発生する。遠隔操作で検体を採取したり、人が行う作業をロボットが担ったりすることで、確実な感染防止につなげたい考え。検体採取の遠隔操作化は医療認証が必要なため、今後、同市内の病院の協力を得て実証データを集める。
JIJI Press