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中国、論争を呼ぶ香港の安全法可決

香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は、2020年6月30日の香港での記者会見で、国家安全維持法についてのコメントを辞退した。(資料写真/AP)
香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は、2020年6月30日の香港での記者会見で、国家安全維持法についてのコメントを辞退した。(資料写真/AP)
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30 Jun 2020 07:06:08 GMT9
30 Jun 2020 07:06:08 GMT9

中国の国会は30日、香港の国家安全維持法を可決し、23年前に中国の支配下に戻って以来、旧イギリスの植民地であった香港の生活様式に最も根本的な変化をもたらすことになった。

ケーブルテレビは、名前を明かさない情報源を引用し、この法律は中国の国会の最高意思決定機関によって全会一致で可決されたと伝えた。
世界的な金融ハブとなった香港で、1997年7月1日の返還時に認められていた高度な自治権を侵すものと見なす、米国や英国その他の欧米政府との衝突が避けられない方向に、この法律は中国政府を向かわせる。

米国は29日、米国法に基づく香港の特別な地位を撤廃し、香港への防衛輸出を停止し、ハイテク製品へのアクセスを制限した。
香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は、週に一度の定例記者会見で、北京での会談がまだ続いているため、この法律についてコメントするのは適切ではないとしながらも、米国政府へ批判を浴びせた。

「どんな制裁措置も私たちを怖がらせることはない」と林鄭長官は語った。

法律の草案はまだ公表されていない。中国政府によると、この法律は昨年香港で起こった頻繁に暴力を伴う民主主義に賛成する抗議活動へ対抗し、政府転覆、テロ活動、国家分裂および外国勢力との共謀を取り締まるためのものだと語っている。

今月、中国の国営通信社の新華社は、香港の既存の法律に取って代わることや、解釈の権限は中国の全人代に帰属することなど、いくつかの条項を発表した。
中国政府は香港に治安維持機関を設置し、香港政府を「監督、指導、支援」すると予想されている。中国政府はまた、特定の事件についても管轄権を行使することができる。

安全維持法に関連する裁判官は香港政府の行政長官によって任命されると予想されている。上級判事は現在、香港の独立した司法制度を通じて名簿を作成している。

具体的にどのような活動が違法とされるのか、どのように定義されるのか、どのような罰則があるのかはまだ明らかになっていない。

新華社は30日午後に法律の詳細を発表し、香港の当局者はその日のうちに行政区内にある中国の出先機関に集まり、法律に関する会議を行う予定であると、匿名の情報源を引用してサウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は伝えている。

北京と香港の当局者は、この法律は少数の "トラブルメーカー "に向けられたものであり、権利や自由、投資家の利益には影響を与えないと繰り返し述べてきた。
法律は香港で公布されるとすぐに施行されるが、それは差し迫っていると見られている。

警察はコロナウイルスの規制を理由に、1997年の返還を記念する今年7月1日の集会を禁止した。法律が1日までに施行された場合、集会に出席することが国家安全維持法の違反に当たるかどうかは不明である。

SCMPは、人々が禁止に逆らった場合に備え、1日には約4,000人の警官が待機してあらゆる騒乱に対処すると、「警察関係者」を引用して述べた。

国際的な非難
貿易問題、南シナ海およびコロナウイルスの感染拡大に加えて、香港は、北京とワシントン間の多くの深刻化しつつある対立の1 つである。

英国は、安全法は中国の国際的な義務と、「一国二制度」の下で50年間の高度な自治を約束した香港の引き渡し条例に違反すると述べている。

日本の菅義偉官房長官は30日、中国が香港の安全法を可決したとすれば「遺憾だ」と述べた。

欧州議会は6月初め、北京が同法を可決した場合、欧州連合(EU)は中国をハーグの国際司法裁判所に提訴すべきだとする決議を可決した。

G7の外相は、中国に法律を押し進めないよう求めている。

中国は西側からの抗議に対抗し、内政干渉に当たるとして非難している。

ロイター通信

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