
全国出版協会・出版科学研究所(東京)は27日、今年上半期の電子出版の市場規模(推定販売金額)が、前年同期比28.4%増の1762億円だったと発表した。新型コロナウイルス感染拡大を受けた自粛期間中、多くの書店が休業や時短営業を強いられ、電子出版の利用者が増加したことなどを理由に挙げた。
同研究所によると、電子出版の内訳はコミックが同33.4%増の1511億円、書籍が同15.1%増の191億円、雑誌が同17.8%減の60億円。コミックの大幅増は、吾峠呼世晴さんの漫画「鬼滅の刃」の爆発的ヒットも影響しているという。
一方、紙の出版物(書籍、雑誌)は同2.9%減の6183億円にとどまった。市場全体の規模は同2.6%増の7945億円で、電子の好調に支えられプラス成長となった。
同研究所の久保雅暖さんは「電子が市場全体に占める割合が22.2%となり、統計を取り始めた2014年以来、初めて2割を超えた。コロナの巣ごもり需要を受け、新しいユーザーを取り込んだのが大きい」と話している。
JIJI Press