
日英両政府が今夏の大筋合意を目指す新たな貿易協定で、「スコッチウイスキー」や「神戸ビーフ」など双方の有力農産品、酒類のブランドを保護する見通しとなったことが1日、分かった。発効済みの日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)と同水準の保護策を導入する方向で日英が最終調整に入った。
日英新協定に盛り込むのは、特定産地のブランドを保護し、類似品の氾濫を防ぐ「地理的表示(GI)」のルール。日欧EPAでは、「スコッチウイスキー」や「神戸ビーフ」のほか、日本の芋焼酎「薩摩」や「夕張メロン」などが保護対象になっている。
英国のEU離脱により、日欧EPAに基づく日英間の貿易上の優遇措置は今年末で失効する。日英両政府は2021年の初めに新協定を発効させたい考え。8月上旬には茂木敏充外相が訪英し、トラス英国際貿易相と折衝して政治成果の表明を目指す。
日英は交渉で先端技術や商標、植物新品種などの知的財産権保護についても日欧EPAと同水準のルールを導入する方向で調整している。
JIJI Press