
Emina Osmandzikovic アブダビ
YouGovの調査によると、日本人とその文化に対する敬意は、アラブ人の日本に対する認識を作り出す重要要素の1つである。
アラブ人は日本人を高く評価しており、日本人に対し、勤勉(回答者の61%)、規律正しい(54%)、時間厳守(42%)、礼儀正しい(30%)などといった肯定的なイメージを持っている。
こういった意見は、アラブ世界のさまざまな地域、年齢層の男女に共通しており、この地域の人々の心の中の日本の健全で安定した地位を反映している。
さらに、アラブ人は、日本といえば自動車製造(56%)、サムライ(58%)、寿司(53%)を連想し、16〜24歳の回答者は主に日本をアニメ(62%)と結び付ける。
第二次世界大戦での敗北後に日本が文化外交を行ってきた主な目的の1つは、世界における日本の役割を再配置することだった。
一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブの共同創設者であり理事長である船橋洋一氏は、次のように述べた。「第二次世界大戦が終了して以来、日本は民主的かつ平和主義的な国であり、世界に影響力を及ぼすための国の主な手段はソフトパワーでした」
近年、日本のソフトパワー展開は、国の平和主義政策、技術革新の才覚、社会的価値観によって大きく支えられてきており、これらすべてが日本特有の文化的魅力に貢献してきた。
東アジアの専門家であるRoberto Nisi氏は、ソフトパワーが波及した理由を、「外国の消費者が日本製品の品質と有用性を認識したことと、新たに平和的な国としての地位を獲得したことの両方により、敗北し、打ちのめされた侵略国としての国際的なイメージを変えることができた」ことに起因しうると語った。
文化的外交の延長として、また持続可能なエネルギーと開発に焦点を当て、日本政府は、クールジャパン機構を起草し、2013年についに開始した。
日本経済産業省(METI)が指揮を執るこの機構は、国内および海外での日本の創造産業を促進し、国の経済輸出を芸術、文化、ファッション産業と組み合わせることを目的としている。
また、ソフトパワーのリソースを活用して国の理解を深めることは、ロンドン、ロサンゼルス、サンパウロに拠点を置く、新しい政府主導の戦略的コミュニケーションイニシアチブであるジャパン・ハウスの目標でもある。
これらの拠点は、訪問者が日本の文化、地域、ライフスタイル、価値観、産業のさまざまな側面に関わるためのワンストップショップとして機能することを目的としている。
日本の経済の奇跡、平和主義者としての評判、そしてすばらしい労働倫理に基づいたものが日本の統一された外交政策で、そこには創造的な開放性と伝統が組み込まれた革新のイメージが映し出されている。
このアプローチは、平和と安定の普遍的な原則を適用する、非軍事国家としての日本のアイデンティティの延長線上にある。
また、中東で最も愛されている自動車ブランドのいくつかのメーカーとしての日本の評判もあげられる。
予想の範囲だが、この調査では、この地域で最も人気のある日本車として、トヨタが他のブランドを圧倒していることが分かった。それに続く2つのポジションは、日産とレクサスという日本のブランドによって占められた。
2006年にパレスチナとイスラエル間の和平プロセスを加速することを目的とした、日本と湾岸協力会議に属する国々との文化的および教育的交流を通じた平和と安定の回廊から、シリアに対する6,000万ドルの人道的支援の誓約まで、この地域における日本の存在感がさらに顕著になっている。
日本とアラブ世界の結びつきは長年にわたって強くなっており、単なる一般的な経済的およびエネルギー的利益を超え、はるかに強化されたものとなっている。