
アラブニュースジャパン
【東京】8月4日、レバノンの首都ベイルート港湾地区で大爆発が起きた。日産元会長のカルロス・ゴーン氏にとって、ベイルートでさえ安全とは言えなくなったと、現代イスラム研究センター理事長の宮田律氏は語る。
昨日5日に日刊ゲンダイに掲載された記事の中で宮田氏は、この爆発が政治的、経済的、そして社会的にレバノンが直面している混乱状態を象徴していると述べる。これまで宗教的には比較的安定していたレバノンも、昨年の混乱以降、そのバランスが崩れる可能性が指摘されている。実際、昨年からのインフレにより、購買力が85%も低下したと伝えられている。 ゴーン氏のような、「いわゆる政治的、経済的エリート」の腐敗に対して、国民の多くが批判的な意見を持っており、コロナ禍でその批判はさらに拍車がかかっている。宮田氏によれば、ここ1年で食費や家賃などの生活費が169%も増加し、市民の半数が十分に食べることもできていない状態だという。
宮田氏は、現在のレバノン国内の状況が、イラン革命に至るまでのイラン国内の過程を彷彿とさせるという。特に様々な宗派が入り混じるレバノンでは、大規模な政治変動と、宗教的な破綻も起こりかねないと予測する。同国では、30年前に終結した内戦を含め、これまでにも様々な対立の舞台となってきた。 今回のベイルートでの爆発は、これまでにあったジレンマをさらに増大させただけにすぎない。本件は、安全措置を怠った爆発物の管理によって引き起こされ、現在までに少なくとも135人が死亡、数千人が負傷している。 港から数