
安倍晋三首相は、終戦記念日の15日の靖国神社(東京・九段北)参拝を見送る意向を固めた。例年と同様、側近議員を通じ「自民党総裁」名義の玉串料を私費で納める方向だ。今夏は戦争終結から75年の節目で、自民党内から首相の参拝を求める声が出ていた。
4月の例大祭は新型コロナウイルス感染拡大の影響で簡素化されたが、神社関係者によると、終戦記念日は例年通り昇殿参拝を受け付けるという。
靖国神社には第2次世界大戦のA級戦犯が合祀(ごうし)されているため、首相や閣僚の参拝には中韓両国が強く反発してきた。首相は毎年、春と秋の例大祭に祭具の真榊(まさかき)、終戦記念日に玉串料をそれぞれ奉納。一方、参拝については2013年12月を最後に確認されていない。
終戦記念日を前に、7日の各閣僚の記者会見では、靖国参拝に関する質問が相次いだ。萩生田光一文部科学相は「今の時点で行く、行かないと決めているわけではない」と強調。江藤拓農林水産相も「きょうの段階で『こうします』とは申し上げない」と明言を避けた。小泉進次郎環境相は「適切に判断していきたい」と述べるにとどめた。
JIJI Press