
東京:日本の安倍晋三首相が健康問題をめぐり辞任する。現地メディアが金曜に伝えた。この驚くべき展開により安倍は過去最高の在任期間を終えるものの、その後継者はまだはっきりと決まっていない。
このニュースは、安倍が健康状態に関する憶測に対処するため記者会見を行う予定だった数時間前に報じられたが、当面のところまだ事実確認されていない。
この予想外のニュースは東京の株式を2%以上急落させ、指標となる日経225指数は当日それまでの上昇を帳消しにした。
安倍の辞任の可能性に関するうわさは、彼が最近2回も詳細不明の検査のため、突然病院を訪れたことを受けて高まっていた。しかしここ数日、政府高官たちは安倍が残りの任期も全うするだろうと示唆していた。
辞任は安倍にとって、苦い記憶にあるシナリオだろう。彼は2007年にも健康問題をめぐり、最初の首相任期をわずか1年で辞任している。
その後、安倍は潰瘍性大腸炎と診断されたが、2012年に首相の座に戻った際には、新薬のおかげで症状は抑えられていると述べていた。
今回の辞任がもし事実と確認されれば、政府報道官の菅義偉が金曜の朝、安倍の健康状態は良好と断言していたにもかかわらず起こることになる。
「毎日彼を見ており、状態に変わりはないと感じている」と、菅は定例記者会見で記者たちに話していた。また菅は木曜にブルームバーグニュースに対し、安倍は「もちろん」2021年9月までの残りの任期を全うすることができると話している。
「彼は大丈夫だろう」と、菅は述べた。
安倍は今週、日本の歴史上最長の連続首相在任期間の記録を更新したものの、健康上の悩みの種はプレッシャーとなり、安倍の上に積み重なっていたように見える。
日本はコロナウィルスの影響が比較的抑制されているにもかかわらず、安倍政府はその危機への対応に対し厳しい批判を受けてきた。それらの対応には、景気刺激目的の給付金に関する方針転換や、各家庭に2枚の布製マスクを支給するという多くの冷笑を招いた決定などが含まれる。
同首相の象徴的な「アベノミクス」経済政策も、徐々に増す試練にさらされている。同国の景気は、コロナウィルス危機に襲われる前からすでに後退局面に入っている。
それでも専門家たちは、与党自由民主党内に安倍の早期離脱を望む声はほとんどないと述べてきた。特に、彼の後継者に関するコンセンサスがまだできていないためだ。
日本の分裂している反対勢力はこれまで、下降している政府の支持率を十分に利用することができておらず、安倍の辞任に対する圧力はほとんどないように見えた。
突然の辞任はさまざまな可能性の扉を押し開ける。これには、財務大臣も務める麻生太郎副総理、または菅義偉内閣官房長官のどちらかが暫定の首相に就任することも含まれる。
正式な後継者は、後日実施される党内での選挙により決定するだろう。
しかし麻生と菅の他、何人かの元および現閣僚たちも、これまで後継者候補に挙げられてきた。
AFP