
日本の主任スポークスマン、菅義偉氏は与党の最大派閥の支持を得て、次の指導者を目指す。公共放送局NHKは1日、伝えた。次の首相を目指す、強力な最有力候補となった。
日本の官房長官と、退任する安倍晋三首相の補佐役を長年務めてきた菅氏は、大方の予想では、新型コロナウイルスが世界的に流行する中、経済を再生し、破綻させないことを目指す「アベノミクス」戦略を含む、安倍氏による一連の政策路線を継承するとみられている。
菅氏は自民党総裁選への立候補を公に告げてはいないが、立候補の意向を非公式に示している、と消息筋はロイター通信に話した。2日に立候補の意思を正式に発表するだろう、とメディアは報じた。
自民党は衆議院で過半数を占めているため、同党の総裁はほぼ確実に首相になる。新総裁は、8月28日に健康上の理由で突然辞任を表明した安倍氏の後任となる。
選挙方式を決めるために開かれた1日の会議で、自民党幹部は、衆参両院の同党の国会議員と都道府県連の代表らによる、簡易化した投票に同意した、と同党の二階俊博幹事長は述べた。
党員投票を除外する提案は、現在、自民党の最大派閥の支持を確保していると伝えられている菅氏に有利だ。しかし、1日の総務会で下される最終決定は、多くの党員による反対のために遅れる可能性がある。
二階氏は記者団に対し、「政治的空白を作ることを避けるため、できるだけ早く新しい指導者を選出する必要がある。会議では、反対意見はなかった」と語った。
より広範な投票を求める
しかし、8月31日に自民党の若手議員が二階氏に会い、140人以上の国会議員と約400人の地方議員からのフルスペックな投票の要求を提示した。大阪をはじめとするいくつかの地方支部も同様の要望をしている。
「新しい指導者を選ぶには、我々は広範な投票に耳を傾ける形で総裁選を行わなければならない」と、議員の一人は述べた。
主要なライバルである石破茂氏も同様の見解を示し、1日、制限投票には反対する、と繰り返した。
「民主主義と自民党の両方にとって、これはあってはならないことだと思う」と石破元防衛相はテレビ朝日で述べた。石破氏は有力候補の中では最も人気があるが、党のヒエラルキーでは強力な支持を欠いている。
自民党は9月14日に総裁選を行う予定だ。
金融市場も好感しており、菅氏の勝利を織り込んでいるようだ。
日興アセットマネジメント主席・グローバル・ストラテジスト、ジョン・ベイル氏は「管氏は、党と官僚組織の中で非常に有能な政策リーダーであると考えられており……安倍氏が成功を納めた在任期間の重要人物だった」と述べた。
「完全休業に適切に反対したことなど、ウイルスの状況に対処した菅氏の経験は重要だ。これが今、日本の最大の関心事だからだ」と彼は付け加えた。
岸田文雄元外相も総裁候補に挙がっている。茂木敏充外相と河野太郎防衛相は1日、立候補するかどうかはまだ決めていないと述べた。
自民党最大派閥の細田派が菅氏を支持していると報じられたのは、麻生太郎副総理率いる有力派閥が支持しているとの報道を受けてのことだ。自民党の重鎮である二階氏も菅氏を支持している。
ロイター