
岸信夫防衛相は19日、来日したオーストラリアのレイノルズ国防相と防衛省で会談した。会談後に共同声明を発表し、自衛隊が豪州軍の艦艇や航空機を警護する「武器等防護」の実施に向けた調整を開始することで一致したと明らかにした。安全保障関連法に基づく措置で、実現すれば米国に続き2カ国目。岸氏は記者団に「わが国の平和と安全および日豪防衛協力にとって重要な意義がある」と語った。
自衛隊と豪州軍は陸海空の全分野で共同訓練を実施。準同盟国と位置付ける豪州との防衛協力を強化し、海洋進出の動きを強める中国をけん制する狙いがある。
武器等防護は2015年に成立した安保関連法で可能になった自衛隊の任務の一つ。自衛隊に「事態に応じ合理的に必要と判断される限度」で武器使用を認め、米国を含む他国軍の警護への道を開いた。17~19年に米軍艦艇・航空機の警護を計32件実施した。
岸氏は、記者団に「戦闘行為の行われている現場で警護は行わない。武力紛争に巻き込まれることはない」と強調。レイノルズ国防相は共同記者発表で、「豪日は東南アジアおよび太平洋地域の防衛パートナーシップを拡充していく」と表明した。
JIJI Press