
【ジャカルタ時事】インドネシア・ジャカルタ入りした菅義偉首相は20日午後(日本時間同)、同国のジョコ大統領とジャカルタ近郊ボゴールの大統領宮殿で会談した。菅氏は新型コロナウイルス感染拡大による同国経済への影響を踏まえ、500億円の円借款を供与する方針を表明した。両首脳は、短期出張などビジネス関係者らの早期の往来再開に向け調整することで一致。2015年以来となる外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)の早期再開を確認した。
両首脳は、東・南シナ海で強硬姿勢を強めている中国を念頭に、「自由で開かれたインド太平洋」構想の実現に向けて協力を確認。会談で菅氏は「東南アジア諸国連合(ASEAN)が自由で開かれたインド太平洋を実現するための要だ」と強調。ジョコ氏は「南シナ海を安全で安定的な水域にしていきたい」と語った。
また両首脳は、日本からの防衛装備品移転を可能とする協定の協議を加速化させることでも一致。安全保障分野での連携強化を確認した。
インドネシアは世界4位の人口を誇るASEANの大国で、日本政府は同国を基本的価値を共有する戦略的パートナーと位置付けている。ASEANを重視する日本としては、感染症対策と経済活動の両立に向け、同国との協力関係を拡大したい考えだ。
JIJI Press