東京:不安やいじめなどで不登校率が急増している状況を受け、日本のある都市ではロボットを利用し、生徒がバーチャルで授業に参加できるよう計画している。関係者が6日、AFP通信の取材に答えた。
日本の南部に位置する熊本市の担当者は、子どもたちは自宅の端末を使用して、学校に置かれている分身ロボットを遠隔操作し、授業や同級生との議論に参加することができるようになると話した。
他国と同じように、日本でも新型コロナウイルスが流行してから登校しなくなる子どもが増加しているが、政府が調査に乗り出したところ、「なじめない」、「いじめられる」など不登校の理由は様々であることが明らかとなった。
報道によれば、ロボットは高さ1メートル(3フィート)の自走式で、生徒は校内でそれを動かし、学校行事に参加することもできるという。
熊本市の担当者、吉里麻紀さんはAFP通信の取材に対し、次のように語った。「ロボットを通じたコミュニケーションは完全に現実のものとは言えませんが、不安を覚え、他人と関わることを怖がる子供たちに、少なくともある程度の現実感を与えることはできます」
「この取り組みが、そんな子どもたちの心理的な恐怖の緩和に役立てばと考えています」
文部科学省の最新調査によると、日本全国の小中学校における不登校児童生徒数は、2021年に過去最多の244,940人となった。
この熊本市のロボットによる取り組みは、早ければ11月の開始を目指して予算の承認を待っているところだが、テクノロジーに精通した同市では以前にも、不登校対策として「メタバース」のバーチャル教室などを立ち上げていた。
「学校に行けない生徒たちに、学びの選択肢を増やしてあげることが極めて重要だ」、熊本市長の大西一史氏は先月、記者団に対してそう語った。
AFP