
安倍晋三前首相の後援会が「桜を見る会」前夜に東京都内のホテルで開催した夕食会に関し、安倍氏側が費用の一部を補填(ほてん)していた疑いがあることが24日、関係者への取材で分かった。補填した総額は数百万円に上る可能性があるという。
関係者によると、ホテルが作成した明細書に記載された夕食会の総費用と、参加者から徴収した会費に、過去数年で計数百万円の差があった。安倍氏側が差額を負担した疑いがあるという。
安倍氏はこれまで、「事務所はホテルと参加者の契約を仲介しただけだ」と事務所が費用を補填した事実はないと説明していた。
夕食会をめぐっては、市民団体などが政治資金規正法違反などの容疑で告発状を東京地検に提出。特捜部は、既に安倍氏の公設第1秘書らから任意で事情聴取しており、同法違反に当たるか慎重に調べている。
安倍晋三事務所は23日、「説明を求められたので捜査に協力し、真摯(しんし)に対応している」などとコメントした。
夕食会は、山口県下関市に事務所を置く政治団体「安倍晋三後援会」が主催。2013年から19年まで、桜を見る会の前日に東京都内のホテルで開催され、地元支援者らが1人5000円の会費で参加した。野党は国会で、会費が割安で、安倍氏側が差額分を補填した疑いがあると追及していた。
JIJI Press