
伊藤忠商事と子会社の日本サニパック(東京)が、世界的な問題となっている海洋プラスチックごみを原料の一部に使用したポリ袋を日本で初めて開発し、実用化したことが24日、分かった。長崎県対馬市の海岸に漂着した海洋プラごみを粉砕し、ポリエチレン原料として再利用した。
両社によると、海洋プラごみをポリ袋に再利用し製品化するのは、海外でも例がないという。再生した原料を薄いポリ袋に活用するのは技術的なハードルが高いが、インドネシアに自社工場を持つ日本サニパックが製品化にこぎ着けた。
対馬市の海岸には、国内で最も多い年間約2万立方メートルの海洋プラごみが漂着しており、深刻な社会問題となっている。両社は来年春をめどに、対馬市と長崎県に計約10万枚を無償で提供。回収活動などに活用してもらう。
伊藤忠は、海洋プラごみの循環型ビジネスの事業化を目指しており、シャンプー容器や雑貨などポリ袋以外の製品化も進めている。対馬市には海洋プラごみの破砕設備を設置する方向で検討している。
JIJI Press