




探査機「はやぶさ2」から分離されたカプセルが6日午前2時半ごろ、オーストラリア上空の大気圏に突入した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は同4時45分ごろ、計画通り豪州南部ウーメラ付近の砂漠に着地したカプセルを発見。約3時間後に回収した。中には小惑星「りゅうぐう」の砂が入っているとみられ、日本に持ち帰って詳細な分析を進める。
小惑星の砂の回収に成功すれば、2010年に初代「はやぶさ」が「イトカワ」から持ち帰って以来の快挙となる。有機物や水を含むとされる炭素質(C型)小惑星からの回収は世界初で、太陽系の成り立ちや生命の起源に迫る手掛かりになると期待される。
直径40センチのカプセルは5日午後2時半、高度約22万キロではやぶさ2から分離。秒速12キロで大気圏に突入し、現地では流れ星のように光る「火球」が観測された。
カプセルは、高度約10キロでパラシュートを開いて降下。現地に派遣されたJAXAの回収班はカプセルが発する信号電波(ビーコン)で位置を推定し、ヘリコプターで回収に向かった。
現地では、回収したカプセルから揮発性の高いガス成分を採取。8日にもJAXA相模原キャンパス(相模原市)に搬入し、試料の分析を始める。
はやぶさ2本体は5日午後、地球重力圏を離脱するためエンジンを噴射。6年に及ぶりゅうぐうとの往復を終え、2031年に別の小惑星「1998KY26」到着を目指す延長ミッションに向かった。
JIJI Press