
岸信夫防衛相は9日、自民党国防部会・安全保障調査会の合同会議で、陸上配備型迎撃システム「イージスアショア」の代替策として、弾道ミサイル防衛を主任務とする「イージス・システム搭載艦」2隻を新造する方針を表明した。政府は18日に閣議決定する見通し。
岸防衛相は、「この方向性は最低限のもので、今後さらに相当な検討を行っていかなければならない」と述べた。装備や運用の詳細な検討は越年することになる。
新造艦には、巡航ミサイル用の迎撃ミサイル「SM6」を新たに搭載する方向。陸上イージスには搭載されない予定だったが、近年空からの脅威が多様化したことを踏まえ必要と判断した。
陸上イージスは陸上自衛隊が運用する方針だったが、新造艦の運用は海自が中心となる。長期間にわたり洋上で勤務する乗組員の確保は難しく、防衛省は省人化や艦内の勤務・生活環境の改善につながる設計、処遇などを検討する。
一方、岸防衛相は、敵の脅威圏外から対処できる「スタンド・オフ・ミサイル」の開発経費を来年度予算案に盛り込むことも明らかにした。開発中のミサイル「12式地対艦誘導弾(SSM)」を長射程化するめどがつき、計画を変更する。出席者からはSSMを陸上イージスの代替艦に搭載するよう求める声が出た。
JIJI Press