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パレスチナ人が自由を得るための方法は

2023年10月17日、ガザ市、アル・シファ病院。イスラエルの空爆を受け、で負傷したパレスチナ人。(AP)
2023年10月17日、ガザ市、アル・シファ病院。イスラエルの空爆を受け、で負傷したパレスチナ人。(AP)
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18 Oct 2023 05:10:35 GMT9
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何年もの間、私はイスラエル人にこう尋ねてきた。「パレスチナ人が、外国による占領から自由を得るための、信頼できる効果的な方法を教えてほしい」。多くの非効果的で現実味のないアイデアが定期的に議論に投げ込まれる一方で、誰もその目的を達成するための過程や方法論を明確に説明することができなかった。つまり、私たち全員を悩ませているシンプルな問いは残ったままだ。75年に及ぶ難民危機、56年に及ぶヨルダン川西岸地区の占領、そして16年に及ぶガザ包囲を終わらせるための、確かな、そして信頼できる方法をパレスチナ人に提示できる人間はいるのだろうか?

パレスチナ人たちは、イスラエルと関連する国連安全保障理事会の決議を承認することが自由への道であると言われた。パレスチナ人は1993年、それを正確に行った。その結果、違法なユダヤ人入植地と入植者の数は3倍以上に増え、パレスチナの解放は以前よりもさらに遠のいた。

非暴力こそが解放への道だと主張する人もいた。その考えを説いたパレスチナの非暴力活動家ムバラク・アワド氏は、イスラエルによって国外追放された。南アフリカのモデルに触発された「ボイコット・ディベストメント・アンド・サンクション(BDS)」運動の中で、非暴力によるボイコットを適用しようとする努力は、反ユダヤ主義として違法とされた。英国では、国際法に違反しているイスラエルのボイコットを支持した市民を罰する国内法が検討されており、米国の各州では同様の数十の法律が可決された。

イスラエル人は、イスラエル近隣の独立国として存在を認めるためには、パレスチナ人は民主主義を持たなければならないと言った。しかし、エジプトおよびヨルダンは決してこのような条件を出していない。NGO「カーター・センター」などが監督した自由で公正なパレスチナの選挙は、ハマス支持者が勝利するまで数回行われた。しかしその後、選挙と民主主義を推し進めたまさに同じ国々が、穏健派の敗北を恐れ、マフムード・アッバース大統領に選挙に反対するよう助言した。

政治面では、パレスチナ人は武装抵抗をやめ、イスラエルと安全保障面で協力すれば、パレスチナは自由になると言われた。これもまた、世論の反対にもかかわらず、イスラエルの治安当局者の満足のために、完全に実行された。結果、アッバース氏は弱いとみなされ、入植者の暴力やポグロム(破壊、略奪)からさえ自国民を守ることさえできなくなった。そしてイスラエルは、ヨルダン川西岸地区のアッバース指導部に政治的に関与するのではなく、ハマスとの融和に関心を示した。

国際的な法律の専門家たちはパレスチナ人たちに、国際刑事裁判所(ICC)が最良の手段だと言った。そして、この試みも成された。戦争犯罪、特に現在進行中の違法入植と、パレスチナ系アメリカ人ジャーナリストの殺害という十分に文書化された事件がICCに提出された。しかし、その重要性と綿密な調査と文書化にもかかわらず、ロシアの戦争犯罪が最優先事項に上がった今、これらの容疑に対する調査の進展はない。

南アフリカのモデルに触発され、非暴力によるボイコットを適用しようとする努力は、反ユダヤ主義として違法とされた。

ダオウド・クタブ

10月7日のハマスの対イスラエル作戦は、国際的に認められた「人民の抵抗権」に基づいて行われた。確かに、16年間も動物のように閉じこもっていたガザのパレスチナ人を含め、ハマスやその他による残虐行為はあった。突然、境界フェンスが取り払われ、イスラエル兵がいなくなり、道路が開かれたのを見たとき、一部のパレスチナ人は大暴れし、殺害や略奪を行った。イスラエルは長年にわたり、エルサレムのピエルバッティスタ・ピザバラ・ラテン総大司教「天井のない監獄」と呼ぶガザへの無許可の包囲を続けてきた。

包囲網を破ったハマスのメンバーは戦争犯罪を犯したのだろうか?その可能性はある。彼らの指導者はそれを公に容認したのだろうか?それは違う。しかし今、国連加盟国であるイスラエル政府は戦争犯罪を犯しているだけでなく、その高官たちは、ハマスのメンバーではない220万人のパレスチナ市民に食料、水、電気を提供していないと公言している。

パレスチナ人は常に、力の均衡は彼らに不利に傾いており、アラブの兄弟姉妹でさえも彼らを見捨てている、だからドナルド・トランプやベンヤミン・ネタニヤフが差し出すどんなパンくずでも受け取るべきだと言われ続けてきた。

長年にわたり、イスラエル人とパレスチナ人の両方が共存できると思われた妥協案のひとつは、しばしば繰り返された「二国家解決」であった。これは、第3次中東戦争前の1967年6月4日時点の国境線に沿って独立国家を築くというアイデアは可能な解決策であるが、これを実現するための政治的努力はほとんどなされていない。世界は1948年以来、二国家解決の一方、すなわちイスラエルを承認してきたが、国連加盟国193カ国のうち138カ国が承認しているにもかかわらず、スウェーデンを除くほとんどの西側諸国はパレスチナ国家を承認することを拒否してきた。パレスチナ人が国連で、パレスチナを占領下の国家として承認する必要性を訴えても、安全保障理事会における米国の拒否権発動の警告とともに却下されている。

現在のガザへの猛攻撃は直ちに停止し、人命を救うべきだ。停戦が宣言され、実施されれば、先に述べたひとつの「シンプルな問い」は依然として有効であり、イスラエル人とジョー・バイデン米大統領を含む国際社会にそれを問いかけなければならない。もし二国家解決に世界的なコンセンサスがあるのなら、今必要なのは、数十年にわたる殺戮に終止符を打ち、この地域の人々が平和に暮らせるようにするためのロードマップである。

・ダオウド・クタブ氏はプリンストン大学の元教授であり、ラマッラー、アル・クッズ大学の現代メディア研究所の創設者兼前所長である。
X: Daoudkuttab

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