
菅義偉首相は14日夜、首相官邸で開いた新型コロナウイルス感染症対策本部の会合で、観光支援事業「Go To トラベル」について、28日~来年1月11日の間、全国一斉に事業を停止すると表明した。感染再拡大に歯止めがかからない状況を踏まえた措置。トラベルを推進する菅政権に批判が高まっていたことも判断に影響したとみられる。
全国一斉停止に先立ち、札幌、大阪両市に加え、東京都と名古屋市を目的地とする旅行についても停止し、出発地とする利用の自粛を呼び掛けた。札幌、大阪両市の一時停止措置は今月15日までだったが、延長することにした。
首相は1月12日以降の扱いについては「その時点での感染状況などを踏まえ、改めて判断する」と述べた。
国立国際医療研究センターを視察する菅義偉首相(左手前から2人目)=14日午後、東京都新宿区(内閣広報室提供)
国立国際医療研究センターを視察する菅義偉首相(左手前から2人目)=14日午後、東京都新宿区(内閣広報室提供)
首相は飲食店について「営業時間の短縮は、さらに延長をお願いせざるを得ない」との考えを示した。年末年始に自治体からの時短要請に応じた飲食店に支払う協力金については、支援額の単価を倍増し、最大1カ月当たり120万円とすると説明した。
首相は全国の感染状況について「感染者数は高止まりの傾向が続き、さまざまな指標から見て感染拡大地域が広がりつつある」と指摘。「年末年始にかけてこれ以上の感染拡大を食い止め、医療機関などの負担を軽減し、落ち着いた年明けを迎えることができるよう最大限の対策を講じる」と強調した。
JIJI Press