

東京:天皇徳仁、皇后雅子両陛下は、世界が新型コロナウイルス封じ込めに躍起の中、新年金曜日に公開されたビデオメッセージで2021年に対する希望のお言葉を寄せられた。
天皇陛下は、2021年は人々が希望をもって過ごせる年になることを心から希望し、日本と他の世界の人々に安寧と幸せを、そして世界平和を祈願された。
皇后さまは、この一年、多くの人々が大きな困難に直面したことを述べ、2021年が穏やかな年になることを祈願した。
天皇の父である上皇昭仁陛下は、在位中、国民にビデオメッセージを二つ公開した。一つは2011年3月、日本の東北地方に甚大な被害をもたらした東日本大震災と津波の直後で、もう一つは2016年8月、高齢のため退位する希望を表明した時であった。
2019年5月に即位した天皇陛下にとって、一般へのビデオメッセージ公開は初めてである。宮内庁によれば、皇后さまがビデオメッセージに出られることも初めてである。
ビデオでは、天皇陛下はコロナウイルスが日本国内外で多数の人命を奪い、愛する家族を失った方々にお悔やみを伝えられた。
「この一年、世界の多数の方は、経験したことのない規模での未知のウイルスの感染拡大による様々な困難と試練に直面してきました」と述べられた。
天皇陛下は、ウイルスから大勢の命を救うために、日夜献身的に活動していることを理由に、医師、看護師、他の医療従事者に深い敬意と感謝の意を表明された。
同時に、ウイルス感染拡大に伴い、医療従事者の負担が一層増していることを懸念された。
また、感染拡大の影響を受けて、仕事や住まいを失なった困窮した人々に同情され、また、感染された方、その家族、医療従事者に対する差別や偏見にも懸念された。
天皇陛下は、困難な状況の人々を支えようと活動されている方々に勇気付けられると述べられた。
人類は、これまで幾度も恐ろしい疫病や大きな自然災害を、団結力と忍耐をもって乗り越えてきたと述べられ、この難局にあって、人々が将来への確固たる希望を胸に、安心して暮らせる日が必ずや遠くない将来に来ることを信じ、皆が互いに思いやり、助け合い、支え合いながら、進んで行くことを心から願っていると述べられた。
天皇陛下は、即位以来、陛下と他の天皇一家は、できるだけ多くの人と接することを願ってきたと述べられた。
新型コロナウイルス感染症が収まり、再び皆さんと直接お会いできることを心待ちにしていると、付け加えられた。
ビデオメッセージは、東京千代田区皇居の天皇一家の新年一般参賀の代わりに公開された。同参賀は土曜に予定されていたがコロナウイルスの蔓延が続くため取りやめになった。
天皇家が参加する新年一般参賀は毎年1月2日に開催されている。
このビデオは陛下の新年に当たってのご感想の代わりにも使用された。
JIJI Press