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村上氏、政治家にウイルスについて真摯に話すよう促す

2018年11月3日に撮影されたこの資料写真には、都内での記者会見で小説『騎士団長殺し』にサインをする日本の小説家・村上春樹氏が写っている。(AP通信)
2018年11月3日に撮影されたこの資料写真には、都内での記者会見で小説『騎士団長殺し』にサインをする日本の小説家・村上春樹氏が写っている。(AP通信)
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01 Jan 2021 09:01:51 GMT9
01 Jan 2021 09:01:51 GMT9

東京:日本の小説家の村上春樹氏は、政治家はコロナウイルスに対する国民の不安と恐怖心を減らし、パンデミックについて真摯に話すことで国民の支持を得る必要があると述べた。

村上氏は、2時間に渡り生放送された大晦日のラジオ番組で、政治指導者に、制御不能に陥る瀬戸際にある感染症の急増を遅らせる行動への国民の参加を促すために、国民に「腹を割って正直に話す」よう促した。

同氏のコメントは、日本の首都東京が発表した1日の感染者数が木曜日に1,337人となり、感染者数が最も多かった12月26日の949人から急上昇した後に行われた。

「コロナウイルスの本質的な問題は、私たちの未来が不確実なことです。それが人々の間に恐怖・怒り・現実逃避が生まれる原因になっていて、私はこれが最大の危険だと思います」と村上氏は、2人のゲストの1人である京都大学のノーベル生理学・医学賞受賞者、山中伸弥氏との会話の中で語った。

「政治家が人の心に届くような言葉でメッセージを伝えなければ、国民が(ウイルス)対策に真面目に協力するのは難しい」と村上氏は具体的な政治家の名前を挙げずに語った。

菅義偉首相や前任の安倍晋三首相は、記者会見で官僚が用意した演説原稿を丁寧に読み、記者の質問には同じフレーズを繰り返すことが多いと批判されてきた。

これまで日本は感染者数の爆発的な増加を避けてきたが、最近の感染者数の急増は多くの人を不安にさせている。

菅首相は政府が出資して旅行代金を割り引くキャンペーンを中止した12月中旬まで、パンデミック対策をほとんど行っていなかった。また菅首相は、政府が5人以上の会食をやめるよう呼びかけているにもかかわらず、8人が参加したステーキ会食に参加したことでも批判されている。

『羊をめぐる冒険』『ねじまき鳥クロニクル』『1Q84』などのベストセラーで知られる村上氏は番組の中で、コロナウイルスによって提起された問題は、グローバリズム、気候変動、ポピュリズムの台頭、社会的格差の拡大といった現象の一部であるように見えると述べた。

村上氏は、2018年8月からほぼ2か月に1度、TOKYO FMで「村上RADIO」のDJを務めている。木曜日の番組は村上氏にとって初めての生放送だった。5月には、東京を含む日本の一部で非常事態宣言が発令されている中、ストレスを抱えた人々を元気づけるために、自宅から事前に録音された番組のDJを務めた。

村上氏は大学卒業後、都内でジャズ喫茶を経営しながら執筆活動を開始した。1979年のデビュー作『風の歌を聴け』に続き、1987年の『ノルウェイの森』が初のベストセラーとなり、若き文豪としての地位を確立した。

村上氏は、終末思想を持つカルト宗教が1995年に起こした東京の地下鉄サリン事件や、自身が育った神戸で起きた大地震など、社会を揺るがす事件を題材にした作品を発表している。

AP通信

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