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レバノン、日本の大久保大使に別れを告げる

「I Love Beirut」というオブジェの前に立つ大久保武・駐レバノン日本大使。レバノンのベイルート中心街。(ツイッター: @TakeshiOkubo3 )
「I Love Beirut」というオブジェの前に立つ大久保武・駐レバノン日本大使。レバノンのベイルート中心街。(ツイッター: @TakeshiOkubo3 )
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29 Nov 2022 08:11:45 GMT9
29 Nov 2022 08:11:45 GMT9

アラブニュース・ジャパン

大久保武・駐レバノン日本大使は、3年間の任期を今月末に終えるにあたり、レバノンの人々に向けた別れのメッセージを公開した。

大久保大使は次のようにツイートした。「これは私からレバノンへの最後の手紙です。この3年間に愛と支えをいただいた皆様に感謝いたします。この国に対する私の愛と称賛を表現できる言葉が見つかりません。ジブラーン・ハリール・ジブラーンが別れについて言っているように、私も『別れの時まで愛はその深さを知らない』と感じています。レバノンのことをとても恋しく思うでしょう」。ツイートにはベイルート中心街にある「I Love Beirut」というオブジェの前に立つ同大使の写真が添えられている。

ミシェル・アウン前大統領の後任者の選出が遅れ、苦境にあえぐこの国が現代史上最悪の経済・金融危機に囚われながら危ういバランスを取っている中、大久保大使は退任する。国民の4分の3が貧困に陥り、レバノンポンドは米ドルに対して90%以上の価値を失った。

大久保大使はレバノンでの在任期間中、同国における日本の利益を代表すること、また日本政府が資金提供するプロジェクトを実施することを通して、そしておそらく最も重要なことには、コミュニティにおける大使自身の社会参加を通して、数多くの公的な問題に対する解決策の提供に貢献している存在として認識された。

経済崩壊、コロナ禍、食料・燃料・電力・医薬品の不足、そして200人以上の死者を出し深刻化した危機をさらに悪化させたベイルート港爆発事故といった、レバノンが2019年以来耐えなければならなかった苦境の負のスパイラルを目の当たりにしてきた大久保大使は、社会経済危機の影響を軽減するための公的介入と戦略的プロジェクトを組み合わせて提供することで、日本とレバノンの関係強化に貢献した。

日本は、国民に最も基本的なサービスを提供できていないレバノンにおいて、「草の根・人間の安全保障無償資金協力(GGP)」を通して、大久保大使が指揮しいくつかの部門の発展に貢献したプロジェクトに数種の資金を提供することで、国民を支援することを約束している。 そのようなプロジェクトには、複数セクターにわたる改修プロジェクトの実施、レバノンの医療部門の復興と医療格差の縮小に貢献した医療機器の提供、燃料不足による電力供給不足の解消を助けた代替電源の提供、食料安全保障の維持への貢献を通した貧困緩和、農業部門の開発支援などが含まれる。
大久保大使は、その影響力、カリスマ、簡潔ながら力強い語りでレバノン国民の心を捉えた。彼らは同大使とその仕事や日本に対する称賛を示し続けた。

そのことは、大久保大使の退任を知った友人らや同僚らがソーシャルメディアに投稿した別れのメッセージの中で同大使の奉仕を称賛していることに特に明白に表れている。

レバノンのテレビ司会者であるリカルド・カラム氏は大久保大使への別れのメッセージをツイートし、日本とレバノンの二国間関係を強化した彼の能力を称賛した。
同氏は次のようにツイートした。「障壁を作り不和を深める人もいれば、架け橋を築き、自分が奉仕する国の価値を促進する人もいます。大久保大使は私たちの日記に空白を残してレバノンを去ります。大使、我が国への愛を、その多様性への尊重を、その様々な部分との友情を、ありがとうございました」。ツイートには二人が一緒にいる写真が添えられている。

レバノンのジャーナリストであるジャマル・ファヤド氏も大久保大使を称える別れのメッセージの中で、同大使が同国のために行った全てのことに感謝し、同大使がこの国の人々に与えた影響はこれからの世代にも語り継がれるだろうと強調した。
「私たちはあなたのことを子供や孫に話すでしょう。試練の時代に素晴らしい人が日本からの大使だったこと、彼が全ての愛を与えてくれたこと(…)そして日本には、善、真実、美徳、人間性に溢れ、どこへ行ってもその香りをまとい、それを都市、野原、果樹園、家庭に無料で振りまく人々がいるということを!」

大久保大使の投稿には他にもレバノンの人々から多くのメッセージが寄せられた。困難な時期のレバノンに奉仕してくれたことを称え、幸福を祈り、いつの日か帰ってきて欲しいと願う声が集まった。

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