
海上自衛隊の潜水艦「そうりゅう」と民間商船が高知県・足摺岬沖で衝突した事故で、第5管区海上保安本部は9日、そうりゅうの損傷状況などの調査を開始した。事故当時の様子などを確認し、業務上過失往来危険の疑いもあるとみて調べる。
赤羽一嘉国土交通相は閣議後の記者会見で、商船が香港船籍の貨物船「オーシャンアルテミス」(約5万トン)と明らかにした。
同本部によると、海上保安官約40人が高知港の沖合に停泊しているそうりゅうに向かい、巡視船から損傷状況を確認。その後そうりゅうに乗り込んで乗組員から話を聴いた。
一方、オーシャンアルテミスは神戸港に向かっており、同本部は沖合に停泊させた上、9日午後から潜水士を派遣して船底の損傷状況などを調べる方針。乗組員からも話を聴くという。
岸信夫防衛相は記者会見で、「そうりゅうが潜望鏡を上げた際に衝突する事故が起きた」と述べ、浮上時の安全確認を徹底する考えを示した。
事故原因の究明に向け、運輸安全委員会と防衛省海上幕僚監部の事故調査委員会も調査を進める。
JIJI Press