
徳仁天皇陛下は直接人々をねぎらったり励ましたりできない状況下でオンラインでの交流を試みたことに触れ、コロナ禍が人々の健康状態や暮らしにもたらした影響について懸念を表明された。
徳仁天皇陛下は2019年にご高齢により退位された父宮・明仁上皇陛下に倣い、国民に手を差し伸べ、寄り添うご意向を表明された。しかし天皇陛下はコロナ禍により、8月の終戦75周年の戦没者追悼式などごく限られた場を除き、公務へのお出ましを控えられていた。
陛下は「この1年は新型コロナウイルス感染症が猛威を振るいました」と、61歳の誕生日を迎えられる23日(祝)に先立ち一部のメディア対象の記者会見で述べられた。「私も雅子も、この感染症がなかなか収束しない状況を憂慮しております」
宮内庁はコロナ禍により、陛下のベランダへのお出ましを見送り、その他の天皇誕生日一般参賀関連行事についても規模を縮小する決定を行った。
陛下は困難に直面する人々に心を寄せる一方、コロナ禍を乗り越える先に明るい将来が開けることを心待ちにしていると述べられた。
また陛下は、「オンラインによる活動に新たな可能性を見いだせたことは,大きな発見と言えます」と述べられ、人々とのつながりを築き、国民の力になるため、国際会議への参加や高齢者施設、病院、その他施設へのバーチャル訪問を行ったと語られた。
日本はこれまで約426,500人の新型コロナウイルス感染症患者および7,500人の死亡者を記録しており、多くの先進国よりも低い数字となっている。日本では先週、今年の夏に延期された東京オリンピック開催のために必須と目されているワクチン接種がようやく始まった。
AP