
東京:世界的パンデミックの中での大会開催に懸念の声が上がる中でも、東京オリンピックは観客を入れた形で開催すべきだと東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の橋本聖子新委員長は述べた。
先週2020年東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の会長に就任した橋本聖子氏は、オリンピックも他の主要スポーツイベントと同様、入場人数に制限を設けても観客を入れた形で行うべきだと日本のメディアに語った。
26日(金)に行われ翌日公開されたインタビューの中で橋本会長は、いかなる最終判断も新型コロナウイルスの感染状況に基づき下されることになると語った。
朝日新聞によると橋本氏は「無観客はシナリオの中でどうかと考えたとき、他の大会がお客さんを入れてやっているので、オリパラだけなぜ入らないのか、と絶対アスリートは思う」と述べた。
また橋本氏は「チケットやホテルなど早めに方向性を出してほしいと誰もが思っている」とも述べた。
7回のオリンピック出場経験を経て政治家に転身した橋本氏は、大会まで5カ月を残す中森喜朗前会長(83)が女性蔑視発言により退任した後、先週新会長に就任した。
五輪関係者によると、今後日本国内の観客と海外からの観客について異なる決断が下される可能性があるという。
日経新聞および共同通信によると、橋本氏の発言は首都圏の緊急事態宣言が終了する3月7日以降にも海外選手の入国制限を解除するという動きの中で出されたもの。
そうなれば4月からオリンピックのテストイベントが、また3月には日本でのワールドカップ予選が可能となる、と共同通信は報じた。
しかし組織委員会は、大会開催の安全性や緊急性に関する国民の懐疑的な態度の払拭に未だ苦労している。
東京大会は元々2020年夏に予定されていたが、世界中で猛威をふるった新型コロナウイルスにより1年間延期されていた。
世論調査によると、国民の約80パーセントが中止か再延期を支持している。
この数週間の首都圏の新規感染者数が著しく減少している一方病院では医療の逼迫が続いており、首都圏は依然として非常事態宣言下に置かれている。
朝日新聞によると橋本氏は「医療の逼迫など懸念材料が払拭されない限り、支持率は上がらない。第一に考えるのはコロナウイルス対策」と語った。
AFP