
東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長は18日、東京都内で記者会見し、大会の開閉会式の演出を統括するクリエーティブディレクターの佐々木宏氏(66)の辞意を受け入れたことを明らかにした。佐々木氏は開会式に出演予定だった女性タレントの渡辺直美さん(33)の容姿を侮辱したような発言をしたとの週刊文春の報道を認めている。
橋本会長は「見出しを見てショックを受けた。発言は大変不適切で遺憾」と述べ、「組織委はジェンダー平等の重要施策を掲げている。こういった問題が起こってしまったことについて大変申し訳なく思っている」と謝罪した。後任の体制を早急に検討する。
記事や組織委が18日未明に公表した佐々木氏の謝罪文によると、佐々木氏は大会延期が決まる前の昨年3月5日、開会式の演出を担うメンバーに、渡辺さんの容姿を侮辱するような内容の企画を対話アプリのLINE上で提案。メンバーから「女性を豚に例えるなんてあり得ない」などと反発を受けて撤回した。佐々木氏は「渡辺さんにはどのようにおわびをしてもしきれない」とコメントし、橋本会長に辞意を伝えたことを明らかにしていた。
佐々木氏は2016年リオデジャネイロ五輪閉会式で、安倍晋三首相(当時)がゲームのキャラクター「マリオ」に扮(ふん)した演出や、東京五輪1年前の昨年7月に競泳女子の池江璃花子選手(ルネサンス)が国立競技場からメッセージを発信する企画を手掛けた。組織委では今年2月、森喜朗前会長が女性蔑視発言の責任を取り辞任した。
JIJI Press