
菅義偉首相は19日、首相官邸で開かれた気候変動対策に関する有識者会議に出席し、2030年の温室効果ガス削減目標について「野心的な目標とすることで、世界の脱炭素化のリーダーシップを取っていきたい」と述べた。さらに「22日に予定されている(米主催の)気候変動サミットを一つの節目として判断したい」と語り、近く削減目標を打ち出す考えを重ねて示した。
米バイデン政権は22、23日にオンラインで開く気候変動サミットに世界各国・地域の首脳を招待し、高い温室ガス削減目標を掲げることを求めている。日本政府は、現行の「13年度比26%減」から40%台に大幅に引き上げる方向で調整している。
有識者会議の会合では、「50年の温室ガス排出実質ゼロと整合的な野心的な削減目標とすべきだ」といった声が相次ぎ、「50%以上の削減とすべきだ」との提案もあった。また、産業界の委員からは「国が掲げる目標があれば、企業として実現に向け努力したい」という意見も出た。
政府は、こうした有識者の意見も踏まえ、具体的な削減目標の設定を急ぐ。
JIJI Press