
ブリュッセル:木曜日、EUと日本は「安全かつ安心な」五輪の開催を支持することで一致した。現在、新型コロナウイルス感染症の拡大により、大会中止を求める声が高まっている。
EUのウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員長、シャルル・ミシェル欧州理事会常任議長、日本の菅義偉首相はテレビ会議形式で会談を行った。両首脳陣は協議後に「新型コロナウイルス感染症に打ち勝つ世界の団結の象徴として、本年夏、安全かつ安心な形で2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を開催すること支持する」との共同声明を出した。
日本では、感染拡大のため、複数の地域で非常事態宣言が出されている。また、国内では今夏の大会開催に反対する世論が強い。
医療関係者組織は、大規模イベントの開催によって新たな変異株が発生し、感染の第4波との闘いが収まらない中で医療体制を圧迫するおそれがあると警告している。
組織関係者はすでに国外の観客の受け入れを見送る前例のない決定をしている。
国内観客の受け入れについては6月下旬に判断する。
フォン・デア・ライエン欧州委員長はテレビ会議の中で、各国首脳が「五輪を楽しみにしている」と話した。
委員長は日本への1億回分以上のワクチン輸出をEUが承認したことにふれ、「五輪と大会の安全のためにあらゆる面から支援する姿勢を強く示している」と述べた。
日本はEUから最も多くワクチンを輸入している。だが、当局は接種の進捗が他の先進国に遅れをとっているとして批判にさらされている。
五輪は7月23日、パラリンピックは8月24日から、それぞれ約2週間開催される。国外からの観客の受け入れ中止はすでに決定し、国内観客の判断は来月に予定されている。
火曜日、日本の勤務医の労働組合代表は、数千人の選手と関係者が集まる大会を開催すれば、「オリンピック」ウイルスの発生につながる可能性があると指摘した。
シャルル・ミシェル欧州理事会常任議長はルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員長、日本の菅義偉首相とのテレビ会議後に「必要な予防措置を講じるため、日本の当局と協力していることを示した」と話した。
首脳陣は、気候変動、貿易、外交・安全保障政策における協力体制についても協議し、支配力の制約を受けない「自由で開かれた」インド太平洋地域の実現に取り組むことを申し合わせた。
岡田直樹内閣官房副長官は別の会見で、5月初旬にG7で出された紛争海域に関する声明を引き継ぎ、両首脳は東シナ海と南シナ海の現状を変えようとする一方的な試みにも強く反対することで合意したと話した。
AFPとロイター