
東京:アメリカの陸軍特殊部隊の元隊員マイケル・テイラー氏は、29日、東京地裁で、カルロス・ゴーン氏の日本逃亡を手助けしたことを後悔していると述べ、日産自動車株式会社の前会長は日本に留まり、財務不正容疑の裁判に向き合うべきだったと語った。
両脇に2人の警備員が付き、息子のピーター氏と一緒に手錠をかけられて法廷に連行されてきたテイラー氏は、判決を下す3人の裁判官に深々と頭を下げ、身体の不自由な父親に会うため、アメリカへの帰国の許可を求めた。
「自分の行動を深く後悔し、司法制度と日本国民に対して問題を起こしたことを心からお詫びします」と、同氏は声を震わせながら述べた。
テイラー氏は、検察官がゴーン氏は日本に留まるべきだったと思うかと尋ねると、「はい」と答えた。
2人は今月、2019年12月にゴーン氏が箱に隠れて西日本の関西空港からプライベートジェット機に乗ってレバノンに逃亡するのを違法に手助けしたという罪状を認めた。
3月にアメリカから日本に身柄を引き渡された両被告は、ゴーン氏が収容されていた東京の同じ拘置所に拘留されており、最長で3年の懲役刑が科せられることになる。
検察は、テイラー親子が役務の対価として130万ドルを受け取り、弁護士費用としてさらに50万ドルを受け取ったと述べた。
父親のテイラー氏は29日、妻の義理の姉妹であるゴーン氏のいとこが、この仕事を引き受けるように説得するのを手伝ったと述べた。同氏はまた、ゴーン氏が日本で最大15年拘束されるかもしれないと告げられて、ゴーン氏と妻のキャロル氏に同情したとも語った。
夫妻からは、日本で保釈中に行方をくらますことは犯罪ではないと告げられたと、同氏は語った。
アメリカのテイラー親子の弁護士は、「保釈中の逃亡」を手伝ったことで起訴はできず、また、厳しい取り調べや拷問に遭う可能性があると主張して、身柄の引き渡しを阻止すべく、数ヶ月にわたって戦った。
日本では、容疑者は弁護士の立会いなしに尋問を受け、裁判前に保釈が認められないこともしばしばだ。
検察官から日本でひどい扱いを受けたかと尋ねられたテイラー氏は、逮捕後に尋問をした検察官は「尊敬できる、立派な人だった」と述べた。
逃亡時、ゴーン氏は、日産の財務諸表上の報酬を10年間で93億円(8400万ドル)過少に記載し、自動車販売代理店への支払いを通じて雇用主の経費を私的に流用した容疑で裁判を待っていた。
ゴーン氏は不正行為を否認しており、日本と引き渡し条約を結んでいない幼少期を過ごした故郷レバノンに逃亡したままとなっている。
ゴーン氏の報酬隠しを手助けした容疑がかけられている日産の元役員、グレッグ・ケリー氏も東京で裁判にかけられている。同氏も容疑を否認している。
ロイター通信