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福島犠牲者 国を訴えた裁判で敗訴

国を相手取って南相馬市の住民が起こした訴訟で敗訴の判決が市民や記者らに知らされた (ANJ photo)
国を相手取って南相馬市の住民が起こした訴訟で敗訴の判決が市民や記者らに知らされた (ANJ photo)
判決を聞くために裁判所に入る南相馬の住民 (ANJ photo)
判決を聞くために裁判所に入る南相馬の住民 (ANJ photo)
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13 Jul 2021 03:07:11 GMT9
13 Jul 2021 03:07:11 GMT9

アラブニュース・ジャパン

 東京:福島第1原子力発電所の事故から10年、国が特定避難勧奨地点の指定を解除したのは不当だとして、南相馬市の住民たちが国を訴えた訴訟で住民側が敗訴した。国は帰還のための年間被ばく線量の基準を20ミリシーベルトとしていた。

 原告団は、住民への深刻な汚染の危険を避けるため、年間の線量は1ミリシーベルトを超えないことを求めていた。

 6年以上かかったこの裁判で弁護士らが垂れ幕を掲げると、市民や記者らに失望が広がった。

南相馬市の避難民と住民はNGO団体「地球の友」の協力を得て、汚染環境への強制帰還を非難、政府の援助が打ち切られた後の困窮を訴えるために訴訟を起こした。

 南相馬市は福島第1原発から20km離れたところに位置しており、2011年以降、いくつかの区域に分けられ、2014年から住民の段階的な帰還が可能になった。住民は財政的な支援を受けていたが、政府は2019年に避難民への援助を打ち切った。表土層の部分的な除染だけが行われた。

 2018年から2021年まで南相馬住民が収集した測定値について、環境放射線モニタリングプロジェクトの中村順氏が証言した。放射線は空気、水、土壌、住民の尿に溜まっていることが報告された。中村氏によると、山から流れ出る雨や水の影響でも土壌が汚染される恐れがあるという。

 判決後、原告の1人である菅野秀一氏は記者会見で、放射線量は10年間変わっていないとした上で、裁判所の判決と裁判官の態度を嘆き、彼らは問題の深刻さを理解していないと述べた。また子どもたちが甲状腺がんになったことも指摘した。

 政府支援の打ち切りで経済的に困窮した南相馬の住民は、故郷に戻り放射能汚染とともに暮らすほかない。

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