
AFP、名古屋
ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相は23日、在日米軍の駐留が日本とロシアの緊密な関係を妨げており、ロシアの懸念事項であり続けていると述べた。
米軍によると、2国間で結ばれた相互協力及び安全保障条約の一環として、日本に約5万4千人の米軍関係者が駐留している。
名古屋で開催されたG20外相会談の際、これら米軍は「もちろん日露関係の質を改善する道に立ちはだかる問題」であるとラヴロフ外相は述べた。
同外相は、「日米の政治的および軍事的同盟の存在、発展、絶え間ない強化に起因するロシアの安全保障に対する」自国の懸念を日本側に伝え、日本側はそれに対し「対応すると約束した」と述べた。
「私たちは日本からの返事を待って、それから議論を続けます」とラヴロフ外相は語った。
決して署名されることのなかった第二次世界大戦後の対立を終わらせるための平和条約締結交渉をめぐり、両国はこう着状態のままである。
第二次世界大戦末期にソビエト軍によって奪われたオホーツク海と太平洋の間にある4島をめぐる紛争により、交渉は行き詰まっている。
一連の火山島は、ロシアではクリル列島、日本では北方領土と呼ばれている。
日本はこの4島を自国の領土の一部とみなしている。
昨年11月、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と日本の安倍晋三首相は、第二次世界大戦の対立を正式に終わらせるための交渉を加速させることに同意した。
両者は、日本とソ連の外交関係を回復させた1956年の日ソ共同宣言に基づき会談を再開すると述べた。
当時、条約とソ連がより大きな島々を保持することに同意することと引き換えに、日本に小さい方の2島を返還することをソ連が申し出た。日米が安保条約に署名したため、この取引は1960年にソビエト連邦によって破棄された。
「1956年の宣言が交渉されたときのことを思い出してください。ソ連は、在日米軍の駐留が打ち切りになった場合に限り完全に実施できると述べました」とラヴロフ外相は述べた