

安倍晋三首相は25日、フランシスコ・ローマ教皇と首相官邸で会談した。教皇との会談は2014年6月のバチカン訪問時以来5年ぶり。首相は「日本とバチカンは『核なき世界』実現、貧困の撲滅、人権、環境などを重視するパートナーだ」と述べ、教皇の来日を契機にバチカンとの協力関係が拡大することに期待を表明。教皇は日本側の歓迎に謝意を伝えた。
教皇はローマ・カトリック教会のトップで、バチカンの国家元首を兼ねる。訪日は38年ぶり。首相は北朝鮮の核開発阻止や日本人拉致問題の早期解決に向け、バチカンの理解と協力を得たい考えだ。
教皇は24日の長崎、広島両市での演説で核兵器廃絶を訴え、首相にもこうした考えを伝えたとみられる。米国の「核の傘」に依存する日本政府は、核兵器禁止条約の批准に慎重姿勢を崩していない。
菅義偉官房長官は25日の記者会見で、教皇が東日本大震災の被災者と面会したことに関し「直接、励ましの言葉をいただいたことに感謝する」と述べた。
首相と教皇は会談後、首相官邸で各国外交団などとの集いにそろって出席した。
JIJI Press