
アラブニュース・ジャパン
東京:国際原子力機関(IAEA)のリディー・エヴラール事務次長は、10年前に爆発した東京電力福島第一原子力発電所を視察するため5日間の日程で訪日した。
IAEA一行は、福島第一原発のALPS処理水の取扱いに関わる協力について外務省や経産省、原子力規制当局などの関係省庁と意見交換を行なっている。
ALPS処理水とは、トリチウム以外の放射性物質が安全基準を下回るよう浄化した水。日本政府は2011年3月11日の津波で大部分が破壊された第一原発の貯蔵スペースが限られていることから、太平洋に処理水を放出する必要があるとしている。
双方は年内のALPS処理水の安全性や海洋モニタリング・レビューに向け、今後、作業を進めていくことで一致した。
IAEAの関係者らは水曜日、廃炉の現状とALPS処理水への理解を深めるため福島第一原発を訪れ、多核種除去設備(ALPS)等の設置が検討されている現場を視察した。
また木曜日には鷲尾英一郎外務副大臣を表敬訪問し、日本政府とIAEAとの協力等について意見交換を行った。日本政府はIAEAと引き続き連携し、被害を受けた原発やアルプス処理水の状況について、科学的根拠に基づき国際社会に透明性をもって説明することを明らかにした。
鷲尾氏はIAEA一行の訪日を歓迎し、ALPS処理水の取扱いに関連するあらゆる支援に感謝の意を表明した。また、核不拡散と原子力の平和的使用を促進する上でのIAEAの重要性について強調した。