
神奈川県内を走行する東海道新幹線の車内で昨年6月、乗客の男女3人を殺傷したとして、殺人などの罪に問われた無職小島一朗被告(23)の裁判員裁判の初公判が28日、横浜地裁小田原支部(佐脇有紀裁判長)であり、小島被告は「殺すつもりでやりました。間違いありません」と起訴内容を認めた。判決は12月18日に言い渡される予定。
小島被告は罪状認否で、隣の席に座っていた女性に関し、「残念にも殺し損ないました」とし、止めに入った男性について「通路にいた人を殺そうとして見事に殺しました」と述べた。
検察側は冒頭陳述で、小島被告は両親との折り合いが悪かったことなどから、「社会で一人で生きていくことが難しい。一生刑務所に入るような重大な犯罪をしよう」と考え、新幹線での殺人を計画したと指摘した。
弁護側は起訴内容を争わず、事件に至る背景事情を踏まえて量刑を考慮するよう求めた。
起訴状などによると、小島被告は昨年6月9日夜、新横浜―小田原間を走行中ののぞみ265号で近くの席にいた女性2人をなたで切り付けて重軽傷を負わせ、制止しようとした兵庫県尼崎市の会社員梅田耕太郎さん=当時(38)=を殺害したとされる。
横浜地検小田原支部は同被告の精神鑑定を行った結果、刑事責任能力を問えると判断。昨年11月に起訴した。