
日本の国会は4日、岸田文雄氏を新首相に選出した。岸田氏は、迫り来る国政選挙を前に、パンデミックや安全保障上の課題への迅速な取り組みを任されることになる。
岸田文雄氏は、同日午前に内閣総辞職した菅義偉氏の後任となった。岸田氏と同内閣は、4日この後皇居で行われる認証式に臨む予定だ。
菅氏は、政府のパンデミック対応や、ウイルスが拡散する中でオリンピック開催にこだわったことで支持率が急落し、わずか1年の任期を経て退陣した。
元外務大臣で64歳の岸田氏は、かつてはハト派の穏健派として知られていたが、党内で影響力を持つ保守派を引き入れるために、明らかにタカ派に転じたようだ。同氏は保守派支配者層にしっかりと根を張っており、総裁選での勝利は、変化よりも継続性と安定性が選ばれた形だ。
菅政権下の20の閣僚ポストのうち2人を除いた全員が交代となり、そのうち13人が初めて大臣に任命されると、日本のメディアは報じた。
ほとんどのポストは、総裁選挙で岸田氏に投票した有力派閥に与えられた。報じられているところによると、女性は3人だけで、菅政権の2人からは増加するという。
茂木敏充外務大臣と岸信夫防衛大臣は留任し、中国の台頭や、台湾を含めた地域の緊張の高まりを前に、日本が米国政府と二国間の安全保障条約の下で緊密に連携しようとする中で、同国の外交・安全保障政策の継続性を確保する。
岸田氏は、中国や核兵器を保有する北朝鮮に対抗するためにも、より強固な日米の安全保障関係や、アジア、欧州、英国の志を同じくする民主主義諸国とのパートナーシップを支持している。
岸田氏は、日本の国家安全保障の経済的側面に取り組むことを目的とした新しい大臣ポストを創設し、比較的当選回数が少ない46歳の小林鷹之氏を任命する予定だ。
日本は、増大する北朝鮮の核とミサイルの脅威に直面しており、北朝鮮は先月、日本の標的を攻撃できる弾道ミサイルの発射実験を行った。
岸田氏はまた、第二次世界大戦中に日本軍によって性的虐待を受けた女性たちの問題を解決するために2015年の韓国政府との合意を成立させた後も、同じく米国の同盟国である韓国と歴史問題をめぐる関係悪化に直面している。
国内の喫緊の課題は、パンデミックやその他の問題で強引だと受け止められた菅氏の対応で下落した党の支持率を好転させることだ。岸田氏は、11月中旬に見込まれる総選挙に先立つ衆議院解散前の今週後半に、所信表明演説を行う見込みだ。
岸田氏はまた、徐々に社会・経済活動を正常化させながら、日本の医療システム、ワクチン接種活動、その他のウイルス対策が、冬の新型コロナウイルス再燃の可能性に対応できるよう、準備を整えなければならない。
岸田氏は先週、自身の最優先課題は経済であると語った。岸田氏の「新しい資本主義」は、概ね安倍氏の経済政策の継続だ。
岸田氏は、より多くの人の所得を増やし、成長と分配のサイクルを生み出すことを目指している。
3代目の政治家の岸田氏は、1993年に広島選挙区から出馬して国会に初当選し、核軍縮を提唱している。
2016年にバラック・オバマ元大統領が、第二次世界大戦末期に米国の核爆弾で長崎と共に破壊された広島市を訪問した時には、同大統領をエスコートした。
AP通信