
岸田文雄首相の所信表明演説に対する各党代表質問が9日午前、参院本会議でも始まった。新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の水際対策強化に関し、首相は「(海外からの帰国者らの)待機施設の確保に最大限努力する」と強調した。立憲民主党の小西洋之氏への答弁。
政府は指定した国・地域からの帰国者に対し、ホテルなどの待機施設にとどまるよう要請しているが、施設の逼迫(ひっぱく)が懸念されている。首相は現時点で9610室を確保していると説明した上で、地方自治体と連携してさらなる確保に取り組む考えを示した。
3回目のワクチン接種については、「既存のワクチンのオミクロン株への効果などを一定程度見極めた上で、優先度に応じ、できる限り前倒しする」との意向を重ねて表明。米ファイザー社と供給スケジュールの前倒し交渉を行っていることを明らかにした。
大幅に拡充する賃上げ税制に関しては、「経済社会構造の変化も踏まえ、引き続き総合的に検討していく」と語った。
沖縄県が来年、本土復帰から50年を迎えるのに当たり、記念式典を開催する意向があるか問われた首相は、「沖縄の歴史に思いを致し、魅力や可能性を内外に発信することが必要だ。県と連携して検討していきたい」と語った。自民党の有村治子氏への答弁。
午後は衆院本会議で代表質問が行われる。
時事通信