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日中、正常化50年の正念場=米と連携強化で対抗―22年外交展望

日米豪にインドを加えた4カ国連携の枠組み(クアッド)の首脳会談を日本で開催することも模索している。(AFP)
日米豪にインドを加えた4カ国連携の枠組み(クアッド)の首脳会談を日本で開催することも模索している。(AFP)
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03 Jan 2022 04:01:37 GMT9
03 Jan 2022 04:01:37 GMT9

2022年の日本外交は、9月に国交正常化50年の節目を迎える中国とどのように向き合うかが最大の課題だ。岸田文雄首相は「安定的関係」の構築を掲げるものの、東・南シナ海での中国の軍事活動は活発化の一途。米国やオーストラリアなど同志国との連携強化で対抗する構えだが、日中関係の決定的な悪化は避けたい考えで、難しいかじ取りを迫られる。

◇祝賀ムード乏しく

沖縄県・尖閣諸島周辺での中国公船による領海侵入は常態化。昨年は中国軍とロシア軍の共同行動まで目立ち、台湾有事の可能性も取り沙汰される。保守系を中心に増す対中強硬論を政府は無視できない。

「民主主義、法の支配、人権といった普遍的な価値に基づき、言うべきことはしっかり言う」。首相は昨年12月下旬の記者会見で、対中外交についてこう語った。

懸案だった北京冬季五輪・パラリンピックの「外交ボイコット」をめぐり、首相は米英などと足並みをそろえ、政府代表団の派遣見送りを決めた。ただ、最大の貿易相手国である中国の存在は大きく、新疆ウイグル自治区や香港の人権問題を前面に出すことは控えた。両国関係をいかに制御していくか、腐心が続く。

習近平国家主席の国賓来日は延期されたまま。米中対立の収束が見えない中、中国が日米間にくさびを打ち込もうと、国交50年を機として日本側に働き掛けを強める展開も想定される。

日本側に祝賀ムードは乏しい。政府関係者は「記念式典を開くかどうか何も決まっていない」と明かす。

◇先送りの首相訪米

首相はバイデン米大統領と早期に会談し、結束を内外にアピールしたい考え。だが、米側は中間選挙を秋に控え、内向きが目立つ。新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」感染拡大も障害となり、日程が入らないという。

「日米同盟と日本の防衛力の強化が両輪だ」。中国の覇権主義的な動きに防衛省幹部はこう語る。外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)を、オンライン形式で1月上旬をめどに先行開催する方向だ。

首相は早期の豪州訪問も選択肢とする。日豪間では「準同盟」化が進む。次のステップとして、モリソン首相との会談に合わせる形で自衛隊と豪軍の相互訪問時の法的地位を定める「円滑化協定」の締結を予定する。

日米豪にインドを加えた4カ国連携の枠組み(クアッド)の首脳会談を日本で開催することも模索している。

◇日韓も焦点

「国交正常化以来最悪」と言われる日韓関係の行方も注目される。元徴用工や慰安婦をめぐる問題で平行線が続き、文在寅大統領の下での好転は期待できない。

焦点は3月の大統領選の結果に移っており、日本側も注視する。ただ、「革新系が勝てば状況はより悪くなるが、保守系が勝っても簡単ではない」(外務省幹部)との見方がある。

北朝鮮の核・ミサイル技術向上に日本政府は警戒感を強める。拉致問題は高齢の被害者家族が相次いで亡くなるなど切迫感が高まっており、金正恩総書記との直接対話を引き続き呼び掛ける。

日ロ平和条約締結交渉は、ロシアが北方領土での免税特区創設を表明して韓国に参加を呼び掛けるなど強硬姿勢を示し、進展は困難な状況。打開を図るべく調整を続ける。 

時事通信

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