

東京:東京地方裁判所は水曜、元テレビ記者の山口敬之に対し、注目を浴びた強姦事件でのジャーナリスト伊藤詩織に対する賠償金として、330万円を支払うよう命令した。
30歳の伊藤はこの訴訟で、かつて東京放送の記者だった53歳の山口に対し、2015年に山口が伊藤を強姦したと主張して、1,100万円の賠償金を要求した。
鈴木昭洋裁判長は、山口は「意識のない原告と合意なしに性交渉を行い、さらには原告が意識を回復して拒否したあとも行為を続けようとした」と述べた。
伊藤の訴えによると、彼女は2015年4月、就職の相談のため山口と食事・飲酒を行っているときに意識を失ったという。東京のホテルで強姦されたと彼女は主張した。
裁判官は、伊藤が大量のアルコールを摂取し、ホテルに入ったときには酩酊状態にあったということを認めた。
伊藤が事件直後に相談していたことに鑑みて、性行為は合意なしであった、そして彼女に虚偽の主張を行う理由は無かった、と鈴木は述べた。
鈴木は、性行為は合意の上だったという山口の主張を退け、山口の主張は「無分別に変化し、信頼できるものではなかった」と述べた。
裁判所は、記者会見中の伊藤の発言が社会における山口の信用を傷つけたと主張して、伊藤に対して賠償金の支払いを要求した山口による訴訟を退けた。
裁判官は、記者会見は「性犯罪の被害者をとりまく環境を改善するために」行われたものであると述べ、記者会見は名誉毀損には当たらないと裁定を下した。
2016年7月、東京地方検察庁は、山口が泥酔した人を強姦したと警察が訴えた際、山口を起訴しなかった。
伊藤は検察官の決定に対して不服を申し立てたが、検察審査会は、不起訴を覆す理由が無いとして、この決定は公平であったという裁定を下した。
裁判所がこの最新の判決について発表したあと、伊藤は、審理のおかげですべての証拠と証言が公にされたことを嬉しく思っていると話した。
時事通信社