
東京発: 日本政府は、水曜日、ロシア当局に拿捕された5隻の漁船の乗組員に何もやましいことはないとして、人道的見地から直ちに彼らを解放するようロシア政府に求めた。
その前日の火曜日、日本が領有権を主張し、ロシアが実効支配している北方領土付近で、日本の漁船がロシアの国境警備隊によって拿捕されている。この事態は、日本の茂木敏充外相が暗礁に乗り上げている北方四島を巡る交渉と、第二次世界大戦を正式に終結させるための平和条約締結の交渉の再開を目指してロシアを訪問している最中に起きた。
拿捕された漁船は、北方四島付近でタコ漁を行っていたところ、漁業協定に違反している疑いがあるとして、「検査」のため、ロシア当局の船に連行されたと、菅義偉官房長官が水曜日の記者会見で説明した。
菅官房長官は、漁船の乗組員たちは何もやましいことはしておらず、「容認できることではない」とし、「日本政府は人道的見地から、乗組員と船の早期解放を強く求めてゆく。」と、述べた。
ロシアは、今年1月には日本のカニ漁船を拿捕しており、その漁船の乗組員は、罰金を支払った後、拘束されてから1ヶ月を過ぎた頃に釈放されている。
日本は、北方領土と呼ばれる日本北部の北海道の沖合にありロシアが実効支配している4つの島の領有権を主張している。ロシアでは南千島列島として知られているそれらの島々は、第二次世界大戦の終戦間際に当時のソビエト軍によって侵略されたものである。
この北方領土問題が、これまでロシアと日本による正式な平和条約の締結を阻んできており、ロシアのプーチン大統領は、昨年、日本の首相に安倍晋三首相に対し、「前提条件無しで」年末までに平和協定を締結することを提案している。
安倍首相はその提案を拒否したものの、1月には、条約締結を推進してゆくことを誓っている。 以来、両国の政府高官や有力政治家たちがこの問題について協議を重ねてきているものの、はっきりとした進展はこれまで見られていない。
日本のメディアは、現在モスクワを5日間にわたって訪問している茂木外務大臣が、交渉の再開を目指していると報じている。
ロイター