
外務省は22日、北京市内で在中国日本大使館員が中国当局に一時拘束されたと発表した。外交官が拘束されるのは異例。外交官の身体不可侵を定めた「ウィーン条約」に違反するとして、森健良事務次官が22日夜、中国の楊宇駐日中国臨時代理大使を外務省に呼び、厳重に抗議。謝罪と再発防止を求めた。楊氏は「本国に報告する」と答えた。
林芳正外相は同日、外務省で記者団に「到底看過できず、断じて受け入れられない」と述べ、中国の対応を批判。垂秀夫駐中国大使が呉江浩外務次官補に抗議したことを明らかにした。
外務省によると、大使館員は21日午後、北京市内で公務中に拘束された。外交官であることを伝達したが、拘束は数時間に及んだ。日本側は正当な業務中だったとしている。
2002年には、防衛駐在官が中国当局に13時間拘束されたことがあった。今回の一時拘束を受け、外務省関係者は「中国でもここ最近はなかった」と語った。
時事通信