
東京:日本航空株式会社とANAホールディングス株式会社は、ロシアのウクライナ侵攻を受け、安全上の懸念から、木曜日にヨーロッパ発着の全便を欠航すると発表した。
両社は通常、欧州便はロシア領空を使用しているが、危機の影響で欧州と北アジア間のフライトをキャンセル、またはルート変更した航空会社の数が増加しているなか、両社も追随する形になった。
JALの広報担当者はロイターに対し、「状況を継続的に監視しているが、ウクライナの現状とさまざまなリスクを考慮し、フライトをキャンセルすることにした」と述べた。
ANA Cargoのウェブサイトによると、今回の運休は、”現在のウクライナ情勢により、同社の運航がロシア上空を飛行できない可能性が高いため “と説明されている。
欧州連合(EU)のフロア駐日大使は3日、東京都内で記者会見し、ウクライナに軍事侵攻したロシアに対する制裁について、日本もEUに倣ってロシア航空機の領空通過禁止を検討するよう求めた。対ロ圧力の強化に向け、日米などと連携する重要性を訴えた。
EUやカナダの航空会社は、ロシアの航空会社に対する規制を受け、ロシア領空への立ち入りを禁止されているが、日本は同様の発表はしていない。
フライト追跡サイト「FlightRadar24」の広報担当者によると、ANAとJALはロシア領空を通って東京とロンドン、パリ、フランクフルト、ヘルシンキ間で週約60便を運航している。
ロシア領空へのアクセスを失い、当初東京便をキャンセルしていたフィンエアーは、水曜日に週4便のヘルシンキ-東京便を新ルートで再開し、飛行時間を以前の約9.5時間から13時間に延長すると発表した。
航空会社による長距離路線は、燃料費を増加させ、世界のサプライチェーンにおけるパンデミック関連の混乱を悪化させている航空貨物の厳しい市場において輸送できる貨物の量を減少させることになる。
ロイターのFlightRadar24のモニタリングによると、大韓航空は木曜日もロシア領空を飛行していたが、台湾の航空会社は現在ロシア領空を避け、中国や中央アジアの上空を飛行している。
JALとANAの両社は、金曜日に予定していた8便をキャンセルした。影響を受けた路線は、ロンドン、パリ、フランクフルト、ヘルシンキへの便が含まれている。
ANAは、復路の東京-ブリュッセル便でワクチンを運ぶ予定だった便を中央アジア上空に変更し、すべての貨物便を運行すると発表した。
JALによると、ヘルシンキ、フランクフルト、パリ、ロンドン発着の便を予約していた237名に影響が出たという。
ロンドン行きの便は欠航しないが、ロシア領空を回避するためにルートを変更する予定。
ロイター