
岸田文雄首相は22日の参院予算委員会で、ロシアが日本との北方領土問題を含む平和条約締結交渉の中断を表明したことについて、「極めて不当で断じて受け入れることができない。強く抗議する」と批判した。立憲民主党の福山哲郎氏への答弁。
松野博一官房長官は同日の記者会見で、こうした立場を外務省の山田重夫外務審議官からガルージン駐日大使に伝えたと明らかにした。
ロシアは交渉中断の理由として、日本による対ロ制裁を挙げている。首相は「(制裁は)ロシアによるウクライナ侵略に起因しているものだ」と指摘。その上で「今回のウクライナ侵略は力による一方的な現状変更で、国際秩序の根幹を揺るがし、国際法違反で厳しく批判、非難する」と重ねて表明した。
福山氏は萩生田光一経済産業相が兼務しているロシア経済分野協力担当相ポストの名称変更などを要求したが、首相は「今の時点で考えていない」と拒否した。
一方、首相が出席予定のベルギーの首都ブリュッセルで24日に対面式で行われる先進7カ国(G7)首脳会合については、「国際社会の結束を示すことが大事だ。G7各国と情勢判断を共有したい」と語った。自民党の山下雄平氏への答弁。
自民党の茂木敏充幹事長は22日の記者会見で、ロシアによる交渉中断の表明について、「極めて遺憾だ。2国間で約束したことを守ることも国際社会では極めて重要だ」と指摘した。
時事通信