
日・フィリピン両政府は9日、東京都内で外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を初めて開き、安全保障面での連携強化を確認した。終了後に発表した共同声明は、ロシアのウクライナ侵攻に関し、「国際秩序の根幹を危うくし、欧州にとどまらずアジアにも影響を及ぼす」と明記。国連安全保障理事会改革の必要性にも言及した。
協議の冒頭、林芳正外相は「中国による力を背景とした一方的な現状変更の試みは、東・南シナ海でも継続している」と強調。フィリピンのロクシン外相は「日比関係は地域内の安定の礎だ」と応じた。共同声明でも、東・南シナ海の状況について「深刻な懸念」を表明した。
また、自衛隊とフィリピン軍の相互訪問の法的基盤となる「円滑化協定(RAA)」や、食料・燃料・弾薬を融通し合う「物品役務相互提供協定(ACSA)」の締結を含め、共同訓練を促進するための対応を検討することで一致した。
協議には、日本側から岸信夫防衛相、フィリピン側からロレンザーナ国防相も出席。フィリピンとの2プラス2は米国やオーストラリアなどに続く9カ国目で、東南アジア諸国連合(ASEAN)では、インドネシアに次ぐ2カ国目となる。
この後、日比外相会談も行った。
時事通信